みつどもえ 209卵性 けいしょう!


「雌豚の尻が雌豚なばっかりに」というフレーズを思いつける桜井先生の脳の中はどうなっているのでしょうか。「胸の谷間なんて便所以外の何物でもないよ」以来の明言と言えるかも知れません。


あらすじ

千葉氏の「秘技*1」公開にわくわくする田渕としんちゃん。その秘技の名は「帽子のつばひっかけポロリ!!」 帽子のつばを杉崎の胸に引っかけて露出させようとするものの、想定していたサイズと杉崎の胸のサイズが違ったためにあえなく失敗。お辞儀した格好になった千葉氏に対して田渕は頭を下げてパンツを見せてもらおうとしたと幻滅。かててくわえて「企んでいた」事が女子にばれて逆襲を受けた千葉氏。保健室で誤解は解け、千葉氏は秘技と帽子を田渕に伝授する。田渕は意気揚々と女子に秘技を行おうとするものの、帽子を被っていない千葉氏に興味津々の女子に無視される。舞台は再び保健室。帽子被ってない千葉氏と、千葉氏の素頭を見ようとする女子の隙を狙って田渕が秘技を吉岡さんに仕掛け、スカートをめくることには成功。しかし、ゆきちゃんのパンツを見ることができたのはしんちゃんだけであり、田渕と千葉氏にとっては失敗となってしまう。田渕が欠点を改良し、再度技を仕掛けたが、今度は帽子がみっちゃんのお尻に挟まってしまったのであった。


1.6−3の女子は仲良いね

今回、一番和んだのは、6−3の女子の描写でした。千葉氏が帽子を被っていないことを知るや、廊下を走って保健室まで見に行くわけですが、廊下を走った姿が躍動感にあふれていたと思います。保健室で女子四人がキャッキャッしていたのもまた良し。何というか、みんな仲良いな。楽しそうだなと言う思いが伝わってきます。みつどもえはエロとか下ネタとかが話題にされますが、それは表面的な話です。リアリティあふれる人物描写と、豊かな人格に基づいて編み上げられた人間関係に真価があると思いますが、それが証明されたような話です。


しかし、みっちゃんや杉ちゃん、宮下さんにフクロにされた千葉、頭を見せろと言われる千葉、「チビ助」と言われる田渕。男子よりも女子の立場が明らかに強く、アニメのみつどもえで「女の子は男の子にやさしくしましょう 男子より」という張り紙の背景が伝わってしまうのが悲しいというか面白いというか。



2.6−3の男子もなかなかだね

女子のまとまりの良さには負けますが、男子の仲の良さもなかなかだと思います。今まできちんとしんちゃんと千葉氏しかいなかったのですが、田渕がきちんと取り上げられたことで「チーム千葉氏」の結成があるかも知れませんね。豊かな発想で次々と秘技を編み出す千葉氏、千葉氏の意図を的確に読み取る*2しんちゃん、そして「太鼓持ち」を自称する田渕。チーム杉崎&みっちゃんやSSS隊には負けますが、それでもひとかどのチームとなる可能性がありますね。今後の活躍が気になるところです。



3.2人のエロ担当

今回はエロ担当の2人が活躍してくれました。1人目は言うまでもなく吉岡さん。吉岡さんは靴下を脱がされるシーンなど、無意味なエロさを発揮するのですが、今回はスカートをめくられるという普通にエロい役回りでした。太ももと、それ以上に表情がエロいなと思ってしまいました。


2人目はみっちゃんです。帽子のつばが挟んでも気がつかないって、どれだけ柔らかくて豊かなお尻なのだと思わず想像してしまいました。足で頭を踏みつけるシーンも相変わらず靴を脱いで靴下で踏みつけているようで、それどんなご褒美だよと。何というか、みっちゃんは豊かな柔らかさに満ちていると言わざるを得ませんね。

*1:女子のスカートをめくったり、ブラのホックを外したりして羞恥に追い込む事がメーン

*2:お辞儀や土下座、ひれ伏した千葉氏の意図を読み取ったのはさすが!

みつどもえ 208卵性 死刑台のヘルスメーター


みっちゃんのかわいらしさが存分に発揮された回でした


あらすじ

6年3組は身体測定。体重を気にするみつばはなかなか体重計に乗ろうとしない。養護教師の栗山先生とばたばたしているうちに、みつばは計る気をなくし、身体測定をエスケープする。困り切る栗山先生と、測らせようとするクラスメイトたち。「みっちゃんに問題を答えさせている間に体重を測ろうとする作戦」「水道の蛇口を使用禁止と偽り、体重計へ誘導しよう作戦」「杉崎の上に座る作戦」など、みつばの前に作戦は次々と失敗していく。最終兵器吉岡の「体重計は恋のおまじない作戦」も失敗したのであった。しかし、身体測定記録を偶然見たみつばは自分も体重を測る気になったが、体重計と杉崎を間違え、身体測定は失敗に終わるのであった


1.みっちゃんかわいいよみっちゃん

みっちゃんは「雌豚」というキャラづくりをされており、みつどもえの作品中でも自分の体重を気にしている話が何回かありました。体重を気にしているみっちゃんと身体測定と言うシチュエーションとはとても相性がいいようで、みっちゃんのかわいらしさが遺憾なく発揮された話となっています。体重を気にしているあたりがみっちゃんの女の子らしさを強く感じさせますし、体重を気にしているくせにお菓子を食べているというのがまたかわいらしい。


扉絵をみても分かるのですが、今回の話は桜井先生の「下着姿のみっちゃんを描きたい、何としてでも描きたい」という欲望の元に作られた話なのでしょう。それだけ下着姿には力が入っています。もちろん、服を着たみっちゃんにも力が入っています。桜井先生のパトスがビンビンと私に伝わってきました。


服もさることながら、みっちゃんの表情が豊かに描写されています。みつどもえの登場人物の中でも、みっちゃんは感情がくるくると変化する傾向があり、そこがかわいらしいのですが、今回はみっちゃんの表情が特別生き生きとしているように感じます。笑っている表情、怒っている表情、困っている表情、誇らしげな表情、すべてが素晴らしい。



2.やっぱり杉みつだよね

みっちゃんと言えば杉崎なのですが、残念ながら今回の話、杉ちゃんとみっちゃんが絡んだシーンは非常に少ないのです。コマにして4コマ、カットで言えば2カットですね。しかし、読後の印象としては、杉みつ的な印象を強く感じました。なぜかと考えたのですが、体重計と杉ちゃんを間違えると言う事が普通に考えてあり得ないという結論に達しました。


つまり、こう言うことです。体重計は無機物で、杉崎は杉ちゃんです。無機物と杉ちゃんを間違える事は普通に考えてあり得ないと言う事です。しかし、みっちゃんが杉崎の事が大好きと仮定すればつじつまは合います。つまり、いつも杉崎さんの事で頭がいっぱいだからこそ、無意識に杉崎さんの方へ足が向いてしまったと。杉崎の上に乗ったときのみつばの表情もまんざらでは無さそうだし、総合的に考えるとみっちゃんは杉崎の事が本当に好きなんだねと言わざるを得ません。


この様な事を無意識に感じ取ったために、濃厚な杉みつ回という印象を抱いたのでしょう。私の頭もずいぶんと吉岡に洗脳されているようです。



3.宮吉もいいよねえ

みつどもえ世界では、空気読めない=宮下さんですが、宮下さん以上に空気が読めないと思われるのが吉岡さんです。前回は宮下さんが炸裂していましたが、今回は吉岡さんが炸裂してしまいました。


「自分の体重計の1桁目と2桁目を足した数だけ体重計の上でジャンプすると両思いになれる」というのはいいとして、体重を気にするみっちゃんに「あっ、3桁の場合は」というのはあまりにもひどすぎます。空気を読んだのか、フォローしようとしたのはいいのですが、「あれ、あっ、ジャンプしても壊れないよ!!」とさらに追い打ちをかける吉岡さん。


宮下さんはまだネタになりますが、吉岡さんの毒舌は強すぎて顔が引きつってしまいます。吉岡さんの毒舌を楽しむには、宮下さんの「吉岡!!」「もう黙ってろ」と言う突っ込みが欠かせません。吉岡さんの激辛カレーの様な毒舌をやんわりと中和しているのが宮下さんなんですよね。突っ込みだけでなく、今回は「食べ物で釣ろうか」という提案を2回もスルーされましたし、宮下さんは話を動かすことも、受け手に廻ることもできる貴重なキャラクターだと思います。

月刊サイタマニア入手計画


大したことではないんだけど、ニッチな需要があるのかも知れないので、メモ代わりに。


1.発端

みつどもえ公式twitterを見ていると、こんな記事。




このような情報は貴重なので、是非とも入手したい。そう言えば、サイタマニアの5月号は桜井のりお先生のインタビューが掲載されているという情報があり、これも入手したい。しかし、遠隔地に住んでいるので、現地で調達することはできない。何とかして入手できないものかと考えた。



2.情報収集

情報はすぐに集まった。http://www.saitama-np.co.jp/luckystar/moecon.htmlにすべて書いてある。しかし、この見出しでは分かりにくいのではないだろうか。

年間購入〜希望の単月購入。
新聞代金+送料を前納で申受けます。
振込は郵便局をご利用ください。振込方法は下記をご参照ください。

リンク先には振込用紙の記入方法が明記してある。ここまで分かれば、あとは埼玉新聞社に電話をして在庫を聞くだけ。電話したところ、幸いにも在庫が存在。あとは郵便振込を利用するだけだと思っていたら、どうやら切手でも受け付けてくれるらしい。振込は110円の手数料、切手は封筒代で済む。どうしよう。



3.入手完了

色々考えましたが、切手は手間がかかるように思いましたので、振込を使いました。1週間〜10日くらい掛かったかな。無事に到着しました。さほどの利益にはならないにも関わらず、対応して頂いた埼玉新聞さん、ありがとうございました。

みつどもえ 207卵性 裏切りはあたしの名前を知っている

宮下ファンにとっては歓喜な回であり,不憫な回でもあり,様々な感情がない交ぜになった回でしたが、最終的な印象は「宮下さん最高!」という事になりますね.あと,髪型のせいかふたばが妙にかわいかった.吉岡さんの眉毛は心なしかほそめですねえ.


あらすじ

チーム杉崎と三つ子が壁新聞のために丸井家へ来ています.話の発端はひとはが「杉ちゃん」呼ばわりしたこと.宮下さんはひとはに「宮ちゃん」呼ばわりして欲しいようですが,ひとはは拒みます.そうこうしているうちに猫が帰ってきました.猫に名前が付いていないことを知った宮下さん.猫に名前を付けることを提案し,「ミャーちゃん」と名付けられましたがこれは宮下さんが拒否.「宮ちゃん」と「ミャーちゃん」が被っていることがお気に召さないようです.そこで壁新聞で猫の名前を募集しようと云う事になり,ふたばがイラストを書きます.しかし,ふたばが宮下さんとおっぱいを書いてしまい,猫は「チブサ」と名付けられてしまいました*1


1.濃厚な宮下さん回

今回の話は,「ひとはの『杉ちゃん』発言」「ネコの名前付け」「壁新聞」という要素で構成されている思いますが,それらすべてに宮下さんが絡んでいると言う回でした.つまり,宮下さんがいなくては話が成り立たない.その分,宮下さんが紙面に占めるウェイトも多く,宮下さんの突っ込み,うざさ,必死さ,良い人さ,まともさが全て描写されていたような回でした.宮下ファンには「宮下さんかわいいよ宮下さん」という他ない出来ではあったでしょう.


ただなあ,もう少し三女さんと宮下さんが仲良くしている姿が見たいなあと思います.ひとはが宮ちゃんと呼ぶためには,人間関係が深まるようなイベントが必要なので,もう少し熟成を待る必要があるんでしょうね.あと,宮下さんがネコに嫌われるのはやっぱり不憫かなあと思います.チブサに関しては宮下さんさほど悪くない……あ,ミャーちゃんを拒否したのは宮下さんか.ただまあ「ろくでもない展開」というのは,まさにその通りなんでしょうね.


多少の不憫さは残りますが,みっちゃんと宮ちゃんは「いじられればいじられるほど」人気が高まりますので,これはこれで良いのかなと思います.ひどいめにあった時に思わず感情移入してしまうんですよね.作者自身が宮下さんをどう思っているのか気になりますが,扉絵を見る限り,宮下さんを重要なキャラだと思っている事は間違いないでしょう.気に入ってなければこの様な柔らかい表情は書かないと思います.



2.照れ照れひとはさん

宮下さん相手では無敵なひとはさんですが,杉崎さんを「杉ちゃん」呼ばわりしたと宮下さんに突っ込まれたときには動揺してしまいます.確かに杉崎さんとひとはさんは親密なイベントが続きましたし,杉崎さんに対してある程度心を許しているのかも知れません.そして,無意識に「杉ちゃん」と呼んでしまったために動揺したと言う事なのでしょう.


ひとはは周囲に対して心の壁を作っている子でしたが,チーム杉崎と交流することによって心の壁が崩れてしまったんでしょうね.そして,崩れてしまった心の壁に気づいてしまったので,真っ赤になっているという事なんでしょうね.感情変化の描写が相変わらず上手です.



3.動物同士の友情

チブサと名付けられてしまったネコですが,ハムスターのチクビ共々,けっして納得した名前ではないようですね.「『チクビ』でーす」と紹介されたときのチクビの黒オーラ.「ミャーちゃん」と名付けられかけたときのチクビの嫉妬,宮下さん「待て待てやめよう『ミャーちゃん』!!」の発言後のネコの不機嫌な表情.チブサと名付けられたときのネコのorzやそれを慰めるチクビ.桜井先生,動物たちをこんな生き生きと描写できるんですね,



4.熟年夫婦

みつどもえの中で熟年夫婦と言えるのはみつば・杉崎と宮下・吉岡だと思います.杉崎は最近ひとはとの絡みが目立っているのですが,ひとはの「杉ちゃん提案の今月のみっちゃん情報の方がマシだよ」という台詞や,それを受けた「まだ提案してないから!!」という杉崎の台詞を見るに,みつばと杉崎はすでにナチュラルな関係であり,これ以上の特別なイベントが必要ない関係だと思わざるを得ません.


宮下・吉岡の方は,顔をあからめながらうつむき加減に「宮下」と呼び捨てにする吉岡さんですね.名前を呼び捨てにするだけでも照れてしまう吉岡を見ると,何というか「初々しいなあ」と思ってしまいます.プールの回でも分かりますが,この二人には倦怠期は存在しないんでしょうね.

*1:なんだろう,この粗筋……?

みつどもえ 206卵性 ほんとにあった!霊媒小生

なんでここまで密度が濃いのやら.この粗筋じゃ伝わらないだろうな.


あらすじ

松岡さんの怪談を,真剣に怖がるふたば.笑われたふたばは「おばけなんていない」と力説するのですが,松岡さんに聞き咎められ,実話100本ノックを課せられてしまいます.抱きつくものを探したふたば.人体模型に抱きつきますが,粉々になってしまいます.松岡さんは「宿っていた霊が解き放たれた」と言いだし,ふたばはそれを真に受けてしまいます.とりつかれたと勘違いしたふたばは破壊行動を行うのですが,ひとはから授けられた経文を松岡さんが唱えることで,浄化に成功したのでした.

1.松岡さんかわいい

一応はふたば回なんでしょうが,松岡さん回と言わざるを得ないです.松岡さんと言えばオカルトと女の子らしさのギャップが魅力な訳ですが,ここ最近ののりお先生はオカルトと女の子らしさの融合を目指しているようです.今回の話ではテンション高く快活に怪談を話すわけですが,これが恋話だったらさぞもてるんだろうなあと.「大ケガしたんだって(はぁと)」とか「それ以来音信不通なの(はぁと)」と言われた日には百年の恋も醒めてしまうでしょうが.


あと,人体模型を見たときの「ひゃっ」という恐がり方もかわいかったし,怖がった様子を宮下さんに突っ込まれ,照れ隠しの「ぷんぷん」もかわいかったです.ひとはから授けられたふたば用経文*1を照れながら読んでいる姿もかわいかった.


かわいいかわいいばかり言っていて芸がないんですが,「松岡さんかわいい」に終始した回だと思いました.



2.宮下さん冷静だな

突っ込み担当だけあって冷静な宮下さんですが,今回の話はいつにも増して冷静だなと.なんというか,他のメンバーとは違って,ちょっと高いところから物事を把握しているという感じです.今回の話の表を松岡さん祭とするのであれば,裏は宮下さん突っ込み祭と言っても良いかもしれません.


そして,今回驚いたのは,宮下さんが空気を読んでいるところ.おばけにとりつかれたふたばを見かねて「あっ ほら おばけにもいろいろいるだろ」「Gカップのセクシーおばけとか」と顔を赤くしながら言うシーンがありましたが,これを見ると,普段「うざい」とか「空気が読めない」扱いされているのはなんだろうと思いました.もしかすると,空気を読もうと思えば読めるのに,その気がないだけかも知れません.なおさらたちが悪いですね.



3.仲の良いグループ

さて,今回は松岡さんの怪談の話でしたが,そもそもこれはなんの集まりなのか気になります.松岡さんの「私にはそれしか話題ないのに」という台詞を見ると,話し手を決めてローテーションを回して「スピーチ」とか「お話し会」みたいなものを開いているという事なのでしょうか,今回は松岡さんだから怪談ですが,例えばみっちゃんとか,杉ちゃんとかが話題を持ち寄って話す会でもあるのかなあと思いました.


なんとなく,グループの中の親密さを感じてしまいます.杉ちゃんの「よく同居できたわね」とか宮下さんの「テンション高いと台無しだろ怪談は」というストレートな台詞もありますが,仲が良いからこそ言える言葉なのかも知れません.

*1:ふたばが好きなおっぱいとパパがひたすら羅列しているだけの代物

みつどもえ 205卵性 青空L

アニメの方の感想も書かなければならないのだが,先に雑誌から片付けてしまおう.


あらすじ

運動会個人競技の練習.みつばはおがちん,佐藤くんと組んで三人四脚の練習です.おがちんとしんちゃんという変態二人にはさまれたみっちゃんは泣きますが,あこがれのしんちゃんと一緒に組んでいるおがちんは大興奮.しんちゃんはおがちんから身を守るためにみっちゃんにくっつき,おがちんはしんちゃんと触れ合うためにしんちゃんにくっつき,みっちゃん大弱り.しかし,ここで構図が代わり,みっちゃんはしんちゃんの頭を足で踏みつけます.当然,みっちゃんの足の動きと連動しておがちんの足は愛しのしんちゃんの頭もを踏みつけます.みっちゃんはサドっ気が満たされ,おがちんは泣きわめきます.呆れたしんちゃんは脚をほどこうとしますが,ひもがなかなかほどけずにみっちゃんとおがちんの太ももの方へ動いてしまいます.パンツを脱がそうとしたと思われたしんちゃんが誤解されておしまい.


1.みっちゃんとおがちん

今回,しんちゃんは小道具扱いで,みっちゃんとおがちんの感情の動きがメーンの話でしょうね.最初の方は三人四脚の練習を行うべく二人をリードしていたみっちゃんが,ひもがほどけそうなをきっかけにしてサドっ気に目覚め,しんちゃんの頭を足で踏みつけるわけですが,何故か靴を脱ぐのですよ.優しさがあるのか,それとも別の理由かは分からないのですが,靴を脱いで踏みつけます.私はあまりマゾっ気はないのですが,みっちゃんの足,柔らかそうだなあ,暖かそうだなあと思わず想像してしまいました.


一方,おがちんは愛しのしんちゃんを踏みつけてしまった苦痛で涙にむせぶのですが,みっちゃんが歓喜の表情を浮かべながら「愛しい人を踏みつけるってどんな気持ち!?」「ねぇ どんな感触!?」と畳みかけるようにおがちんに対して言葉責めをしているので,危うくサドっ気に目覚めるところでした.危ない危ない.みっちゃんをあまり「サドガール」と感じたことはないのですが,今回は「サドガール」そのものでしたね.おがちんはおがちんで,泣いているだけならまだしも,6ページ目の最初のコマでは「よだれ」を垂らしているんですね.こいつ,口では嫌がりながら,内心では思う存分しんちゃんにふれている快感を心ゆくまで味わっているじゃないか.言うに事欠いて「一生かけて償います」だしな.背徳感が快感を増幅しているのかも知れません.まったく,とんでもない変態漫画だよ.



2.吉岡さんと宮ちゃん

上に書いた様な事を目の当たりにした吉岡さんは,恋愛レーダーを動作させるわけです.今回,吉岡さんが描いた構図は,「みつばを巡っておがちんとしんちゃんが争う」というものです.精度の低さには定評のある吉岡恋愛レーダーですから,みつば×佐藤くん,みつば×おがちんと言う二つのカップリングが成立しないことはほぼ確定したことになりました.まあ,これはいつものことなのですが,吉岡さんが暴走したときに,宮下さんが「練習しよう」としきりに脱線を食い止めようとするのが良かったです.宮下さんは攻めに出るとうざキャラになるのですが,受けに回ったときの安定感は他の追随を許しません.今回は吉岡さんが攻めに出ているので,宮下さんのうざさがしつこくなく,漫画がさっぱりとした雰囲気に仕上がっていると思いました.



3.一コマの情報量

今回,矢部先生は不在なのですが,実は一コマだけ出演しています.1ページ目の2コマ目です.セミロングの男の子と何か話しているようです.その後,矢部っちの出番がないところを見ると,この男の子は龍太で,二人はガチレンジャー談義に夢中になっていると推測できます.つまり,一コマだけで矢部っちのダメさ加減を表現しきっていると言う事になります.二コマしか登場していない伊藤詩織のブラックな存在感も高いし,桜井のりお先生は,一コマでどこまで情報量を高められるかを追求しているに違いありません.

みつどもえ 7話 「ガチで愛してしょうがない!?」


全体
みつどもえの主軸の一つである「勘違い」を前面に押し出した,ガチレンジャーのエピソードがとうとうはじまります.ひとはとクラスメート,そして,ひとはと矢部っちとの繋がりを語るためにはこのエピソードは必須ですね.ガチレンジャーがひとはの話なら,ふたばの人間関係を描くためには外せない佐藤くんが好きでしょうがない隊のエピソードもはじまりました.新たな人間関係を加え,アクセルを踏んで加速しているのが今回の話だと思います.



エピソード1

日曜の朝,掃除にいそしむひとは.テレビでは特撮番組が流れていた.くだらない番組をやっていると思い,ひとははテレビを消そうとするが,ついつい見入ってしまった.すっかりガチレンジャーのファンになってしまったひとは.誰かと語り合いたいと思っていたら,矢部っちの携帯からガチレンジャーの主題歌が! 意を決して矢部っちと語ろうとするものの,ガチレンジャーの話がパンツの話になり,パンツの話がガチレンジャーの話になってしまう,壮絶な勘違い合戦に突入するのであった.

勘違い合戦に関しては他のサイトに任せるとして,別な話をしようと思います.この話,「人が番組を好きになる」プロセスを丁寧に描写していると思うんですよ.最初は「なんだこの番組くだらない」と思いつつ,思わず見入ってしまい,終わる頃にはすっかりと番組にはまってしまう.番組にはまってしまったら誰かと楽しみを分かち合いたくなる.何というか,原作もアニメスタッフも,オタクと言われている方々の心情をよく分かっているな,よく描写しているなと思います.勘違いネタも確かに面白いんですが,勘違いネタを成立させているのは,スタッフの丁寧な仕事が土台にあると思うんですよね.


あと,ガチレンジャーは色々とガチな設定で面白かったです.「ガチナックル」「ガチスープレックス」はガチで痛そうですし,盛大に流血している.「死ぬがいい,イヌラゴン」も普通は言わないでしょう*1.なかなか,硬派なヒーローですね.


ところで,ガチレンジャーのリュックを背負いながら,「ガチレンジャーのファン」だと大きな声で言えない矢部っちの頭は,いったいどうなっているんでしょう.バレバレだと思いますが.



エピソード2

昔の写真を眺めるパパとみつばとふたば.若い頃のパパは佐藤くんそっくりだった.ふたばはパパから写真を譲り受け,肌身離さず持ち歩いたのは良いが,その写真が「佐藤くんが好きでしょうがない隊(SSS隊)」に見つかった.佐藤くんの写真だと勘違いしたSSS隊はふたばから写真を盗み出すが,それに気がついたふたばとの間で写真の争奪戦.おがちんの熱意にほだされたふたばは,ライバルと認め,写真の写り主と親睦を深めるためにお風呂に入ることを提案する.おがちんも喜んで受け入れ,パパとふたばとおがちんでお風呂に入ることになった.

この話,実は結構好きな話です.ふたばとおがちんの良いところが出ているように思うんですね.


SSS隊は「みつどもえ」最強の変態集団と言って差し支えないです.どの程度変態かというと,佐藤くんの空気を吸うだけで一日生きていけるほどです.しかし,リーダーのおがちんは変態ではありますが,骨もあります.おがちんは佐藤くんを好きなので,ふたばをライバル視しますが,健全なライバル関係です.伊藤詩織ほど,おがちんは黒いわけではないので,ふたば相手でも正々堂々と戦おうとしています.おがちんの「私をライバルとして認めるの」という台詞からも,おがちんがふたばをどの様に見ているか分かる気がします.


ふたばはふたばで,良いところを見せます.パパ大好きっ子のふたばですが,おがちんがパパの写真に執着していると分かると,こころよくそれを譲ります.そして,三人で親睦を兼ねて風呂に入らないかと提案します.ふたばもおがちんも本当に良い子たちだと思います.


実に良い話です.95%までは.ふたばに取ってはパパの写真ですが,おがちんに取っては佐藤くんの写真です.これが悲劇を生みます.しかし,娘の同級生と一緒に風呂に入る男性って,一歩間違えれば変態じゃないのかな.世のお父さんはこの様な経験をしているのか,気になるところです.



エピソード3

珍しくスカートをはくふたば.佐藤くんに自由研究を手伝って欲しいみたいです.佐藤くんが承諾するとふたばはいきなり蹴りを打ち込みます.なんの研究かと佐藤くんが聞きただすと,「パンツ見えるか研究」とのこと.ふたばは次々と佐藤くんに蹴りを打ち込みます.命からがら逃げる佐藤くん.そこに現れるSSS隊の面々.彼女らは佐藤くんを守ろうとしますが,ふたばの「しんちゃんはパンツ大好きだから,見てもらおうと」という台詞を聞いたとたん,佐藤くんを追い回す側へと立場を変えます.「パンツを見せて佐藤くんの恋人になろう」キャンペーンがはじまり,パンツを見せたがる女子生徒に追いかけ回される佐藤くん.追跡の果てに,佐藤くんは千葉氏のパンツを下ろしてしまいます.千葉氏は佐藤くんの恋人になったのでした.

ふたばがパンツを見せようと蹴りを繰り出したので,佐藤くんの髪の毛が二,三本持って行かれるわけですが,その後ふたばは「パンツ見えた」ともじもじしながら聞いてきます.佐藤くんの生命の危機と,ふたばの恥じらいが妙なコントラストを生み出しているなと思いました.視聴者視点でもふたばのスカートは新鮮であり,ふたばの恥じらいも新鮮に映るのですね.


あと,SSS隊の面々が佐藤くんにパンツを見せようとする姿が良いですね.SSS隊はふたばよりも女の子らしいので,パンツを見せる姿にも色気が漂っているわけです.伊藤詩織もこう見るとかわいいですね.あと加藤さん,スカートはともかく,短パンを脱いでパンツを見せるのは大変危険なのではないのかな.



エピソード4

放課後,ひとははクラスに一人残ります.ちょっとした誤解から変態扱いしてしまった事を謝り,そして自分がガチレンジャーの事を大好きだという事を矢部っちに伝えるために.しかし,その事をクラスメートの吉岡さんに知られてしまいます.かててくわえて,吉岡さんは,ひとはが矢部っちの事を大好きだと勘違いしてしまいます.かくして,二人の少女の勘違い合戦が幕を開けました.ひとはがガチレンジャーの事を話しているにもかかわらず,吉岡さんは矢部っちの事だと受け取ってしまうわけです.そして,ひとはが矢部っちの事を好きだという誤解が,偶然クラスを通りかかった矢部っちに伝わってしまったのでした.

恋愛レーダー吉岡さんの主役回です.恋話が大好きなので,ひとはと矢部っちの恋に興味津々なのです.ひとはの話をついつい大げさに考えてしまう辺りが,実にかわいらしいと思いました.ひとはが「(ガチレンジャーを)ビデオに撮っている」と言ったのを,「(矢部っちを)ビデオに撮っている」と勘違いして,本気で引いてしまう辺りが実にかわいいです.


あと,ひとはの描写.好きな番組で頭がいっぱいで,授業が上の空だったり,ノートに番組名を書いてしまうと言う経験は私にもあります.恐らく,多くの人が行っているのでしょう.その辺りを丁寧に描写する手腕は,さすがだなあと思います.実はノートを番組名で埋め尽くすというのは原作にはないので,アニメスタッフのオリジナルのアイデアなのだと思います.これは良い改変ではないでしょうか.

*1:鋼鉄ジーグを除く