評判の悪い「著作権=人権」だけど

岡本氏は「著作権は人権」と言う発言をしており、ネット上ではあまり評判がよろしくない。著作権コラム第十回と言うサイトでは、反論するのにかなりの労力を使っている。逆に、権利者側からは好意的に受け入れられている、のかな。

ま、確かに著作権強化のプロバガンダ的なところはある。権利者から観れば「著作権は侵害してはいけないもの」「著作権は強化するべきもの」って感じで、容易に著作権強化の道具として使用できるし、利用者側が反発を覚えるというのもうなづける事ではある。

批判を受ける言葉と言うのは間違いないだろうが、岡本氏が以下のような発言もしていることは踏まえるべきだと思う。

第一は、著作権というのは「人権」である、ということです。こう言うと、いわゆる「人権派」と思われてしまうのですが、著作権の世界には、「人権派」とも呼ぶべき「著作権自体に哲学的・倫理的価値がある。なるべく強めるべきだ」といった考え方の人々と、「財産権派」とも呼ぶべき「著作権は人工的な権利であって、財産についてのルールだ」といった考え方の人々がいるようです。私は、実は後者に近いのですが、もっと過激で、「天賦人権」などというものは信じておりません。「言論の自由」なども含めて、「人権」と呼ばれるものはすべて、「人間が人工的に作ったルール」だと思っております*1

実は、「著作権は人権」ということは、人権が大好きな「教育関係者」向けに著作権の本を書くときに強く言い始めた「プレゼンテーション」の仕方なのですが*2


著作権=人権」と言う言葉を使ったことで、岡本氏が「著作権自体に哲学的・倫理的価値がある。なるべく強めるべきだ」的な主張の持ち主だと、誤解されてしまったって事かな。確かに「人権だって単なるルール、皆の合意があれば変えればいい」と割り切って考えている人は日本人には珍しい。「人権」と言うだけで思考停止している人が多い以上、誤解している人が多いのは無理もないか。

*1:成蹊大学 2002年度JASRAC寄附講座 第一回講義録P.9

*2:同上