GXロケットを追え

さて、下でちらっと触れたGXロケットですけど、ちょっとした謎があります。何かというと、状況がさっぱり見えてきません。

そもそも、GXロケットとは何かというと、民間主導により開発されたロケットの事です。ギャラクシーエクスプレス社が開発及びロケット打ち上げサービスを実施することになっています。衛星打ち上げ能力は、H-2Aの半分であり、M-Vの二倍という事です。

民間主導のため、コスト競争力を意識して開発されている事が特長で、アトラス5のアビオニクスを使用し、一段目にアトラス3の燃料タンク及び燃料供給系とロシアのRD-180エンジン、二段目にJAXAが開発中の液酸LNGエンジンを使用することになっています。

既に開発はスタートしていて、二段目のLNG開発には既に100億円以上の予算が使われております。これは決して小さくない値だと思います。にも関わらず、状況がさほど伝わってきてません。

例えばJAXAのサイトへ行きますと、更新が去年の12月で停止しております。
LNGエンジンの燃焼試験の様子がアップされていますが、何がどうなっているのか分かりません。国の予算を使用して、開発を行っているわけですから、最低限LNGエンジンの進捗状況だけは明記するべきではないでしょうか。もっと言えば、GXロケットへの採用を前提としてLNGエンジンを開発しているわけですので、計画が中止されると、LNGエンジンを開発する意味がなくなるわけです。GXロケットの進捗状況も併記するべきではないでしょうか。

http://www.galaxy-express.co.jp/へ行くと、状況はもっと悪いように思います。
非常におざなりなサイトです。見るべき物と言えばPDFファイルしかありません。PDFファイル自体は分かりやすく作られていますが、GXロケット概要(PDFファイル)を見ても、スケジュールの進捗状況がよく分かりません。単に情報を公開していないだけならいいのですが、ロケット開発の管理体制に問題があるでしたら話は違います。ロケットの開発状況を誰も把握しておらず、何をするべきなのかすらよく分からないという事でなければいいのですが。参加している会社が多い上に、役割分担が明確でないのが気になりますね。