本放送とネット配信とのシナジー効果

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市場があれば事業者の取り組み方も変わる。ビジネスなのだから当然だ。VODは一年半くらい前から行われているが、さっぱり普及しない。だから、満足にギャラも払えない状況では、良いコンテンツも出てこなくなる。「鶏と卵」の議論とばかり言えないのは、VOD事業者はMGを払って、自ら赤字を背負ってコンテンツを揃えている。それでも利用者が増えないので、少しずつコンテンツ調達の元気が無くなりつつある。


西さんの意見には賛同しないことが多いのだが、このエントリーは例外。確かに、市場がないところに供給しても対価が得られないし、企業は儲からない。企業判断としては、積極的に手を出すべき事ではないのかもしれない。

しかし、これはVODを単体として考えた場合の事である。本放送とネット配信をうまく連携できれば、それなりに効果があると思うのだ。つまり、本放送を補完する存在として、ネット配信を生かせないだろうかという事である。

実は、日本でそれを行った実例がある。そう、ガンダムSEEDである。

ブロードバンド配信によるメリットを放送での視聴者の獲得、視聴率のアップという具体的な数字、フレッツ、NTT東西はそれなりにユーザー獲得に効果があり、コンテンツの販売社側はDVD販売の数字に繋がったということで、それぞれの部分がいい結果で推移しました。

ブロードバンドで配信するとテレビの視聴者がいなくなってしまうのではないかとか、その逆だとか、いろいろ懸念はあったのですが、結果的にはそれぞれがうまくマッチして、それぞれが伸びた。
http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/contents_sympo2/discussion/02.html

とある。ネット配信は、単体では弱いビジネスかもしれないが、相乗効果を考えると決して弱くはないのではないだろうか。番組を売り出す戦略として、ネット配信は有効な手段の一つと言えるのではないだろうか。ネット配信は必然的に登録が必要なので、番組視聴者の年齢構成や男女比も簡単に集計できるし、情報収集の面からも武器になるかもしれない。

ま、ガンダムSEEDの件にしろ、リンク先ではネット配信でどの程度のメリットがあったか、十分な分析がされているとは言えず、実際にどの程度役だったかはっきりしないところはある。しかし、一度放送した番組だったら、ネット配信したところで損害はないだろう。どうせ死蔵する事になるのならば、配信した方がナンボかマシなのではないかなと思う次第である。