「権利者団体」が嫌われないための3つの提言

著作権教育フォーラムブログさんのところで、「権利者団体」が「悪」な訳: 著作権教育フォーラムブログとなるエントリが挙がっている。権利者団体がなぜ嫌われているのかに関して考察されており、色々と考えるところはある。そこで、感想でも述べてみようかと思う次第。

私が考えるに、権利者団体は常に嫌われる宿命にあると思う。著作権フォーラムブログさんのところで色々と書かれているが、やや枝葉末節に過ぎると思う。権利者団体が権利者のために存在する以上、権利者以外の方々から嫌われるのは当然なのではないだろうか。

それでも、悪だと思われたくない権利者団体の方々もいるかも知れない。そのような方々に、ない知恵を絞って嫌われないための対策を考えてみようと思う。


対策その1:権利を行使しない

権利者団体がなぜ嫌われるのかを考えるに、大きな原因は「権利を行使する事」にあると思う。

権利を行使すると言うことは、利用者にしてみると、自分の行為に制限を受けると言うことになる。自分がしたい事を制限されて、いい思いをする人間はあまりいないだろう。そう考えると、嫌われない権利者団体となるためには、権利を行使しない事が必要ではないだろうか。

もちろん、権利を行使しなければ権利者とて食べることは出来ない。ではどうするか。数の少ない大企業や官僚だけをターゲットにして、数多い中小企業、零細商店、個人は対象外にすればいいのである。そうすれば、世の大多数から嫌われる心配はない。


対策その2:出来るだけ力を弱める

いま嫌われている権利者団体は、何をおいてもJASRACであろう。JASRACがなぜ嫌われているのか。JASRACの力が強いから、強すぎるから嫌われているのだ。。日本の作曲者、作詞者、音楽出版者の権利の殆どを管理しており、年間収入も莫大である。調査部や法務部がきちんとしており、訴訟されたらJASRACに対して勝つ見込みはない。JASRACは、利用者から観れば大きな障害なのである。「JASRACがなければ、音楽が自由に使えるのに」と思っているユーザーは数多いる。

さて、JASRACは巨大だから嫌われる。裏を返せば、JASRACが弱まれば誰も嫌わなくなる。その証拠に、零細権利者団体など嫌うものは誰もいない。JASRACが目立つから嫌われるのである。

それならば、方法はただ一つ。JASRACが弱くなればいいのである。弱くなれば権利を行使することが出来ず、訴訟を起こすこともままならない。放送局やレコード会社に対する影響力が弱まり、ロビー活動も出来なくなる。世の中に埋没する団体となれば、嫌うものは誰もいなくなる。



対策その3:権利者以外にも恩恵を与える

権利者の事だけを考えている権利者団体は嫌われる。それはそうだろう、利用者からみれば恩恵は何もない上に、権利を振りかざす存在。ただただ鬱陶しい。ここは逆転の発想をしてみるといいかも知れない。権利者以外のノンメンバーにも、恩恵を与えることが必要である。

例えば一般利用者。利用するたびにお金を取っていては、それは嫌われるだけだろう。これはとんでもない意見かも知れないが、利用するたびにお金を払って見るというのはどうだろう。著作権を利用すれば利用するだけ、利用者の懐にお金が入るのだ。そのような権利者団体は決して批判されず、むしろ賞賛される団体となるだろう。


結論として、嫌われない権利者団体とは、「権利者団体としての責務を放棄した団体」であると私は考える。