同人誌に対する文化庁著作権課のコメント

http://d.hatena.ne.jp/dr_y/20060529#1148901209さん経由で知った話。

もしかして、この手の同人誌は著作権を侵害している?」ということで、今度は矛先が文化庁著作権課へ(おいおい)。ところが、ここでヒョウタンからコマ、文化庁著作権課のコメントに驚いた。
 「『原作者と同人作家の間には、見て見ぬ振りという、“暗黙の了解”が存在するため、侵害しているとは断言できません。それゆえ、よほど悪質なものでない限り批判的な立場を取ることはありません」 その理由として、同人誌のおかげで原作の知名度が上がることもあるし、また原作側で同人誌を訴えるなどすれば、原作のイメージが悪くなることさえあるからだという。」
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なんというか、文化庁の立場としては当然なコメント。著作権が親告権である以上、文化庁としては他にコメントしようがないよなぁ。著作権を持つ漫画家が納得しているのならそれで済む話だし、納得していないのなら裁判を起こして解決するしかないだろう。著作権に関して、当事者は権利者と利用者なのであり、文化庁はあくまでも第三者な訳である。

ただ、文化庁のコメントは当然至極ではあるのだが、個人的にはノーコメントの方が良かったと思う。なぜならば、軽率な人が「文化庁が同人誌にお墨付きを与えている」と誤解の余地があるコメントだからだ。「著作権を司る文化庁が同人誌を認めた」とか「同人誌は著作権的に問題ない」とか、文化庁発言が一人歩きする可能性があると思うのだ。

先ほども述べたとおり、著作権に関して文化庁は第三者であり、単なる「感想」や「意見」にしか過ぎない。それを念頭に置いて、この発言を考えるべきだと思う。個人的には、文化庁が同人誌に関して注目している事に、ちょっと驚いた。ある程度現状を認識しているようだけど、専門の係でもいるのかしら。