iPod課金には裏も表もありそうな話 前編


お詫びを読んでいた。最近と言うわけでもないか、JASRAC批判記事には人気が集まるのだなあ。こうなると、バランスを取りたくなってくるのが人間の性分というものである。多少つっこみを入れたくなってしまうではないか。大筋では力が入っている記事だけに、細かいところで問題があるのを見ると、多少萎えてくるものがある。

メモを読み返してみると音楽に関する著作隣接権を持つ利権者が、当時から変わらぬ思いでいることがよくわかる。

JASRAC著作隣接権を持ってないですよ。あくまでも著作権を管理しているだけ。ちなみに、単なる料金徴収者と思っている人が多いようだけど、これは誤解です。委託期間中は、権利者から著作権財産権)が移転しています。権利を持っているからこそ、JASRACが主体となってあれこれできるわけ。


 '99年の取材でNMRC代表の佐々木隆一氏は「JASRACはどの作家の著作権料か判断しにくい資金を、現在よりも多く徴収できる枠組みを模索しているのではないか」と話していた。

この辺りは、よくぞ書いてくれましたと言う部分ですね。JASRAC正会員の中に、著作者が不明なお金が入ってくる来た方が都合がいいという方がおられるのかもしれません。配分が不透明なのをいいことに、配分率を恣意的に調整して、大御所優先に振り分けている可能性は考えられますね。

悪く言えば年功序列、よく言えば格差社会の解消と言えるのかもしれません。もっとも、昨日書いたように、JASRACの方向性は音楽家自身が決めるわけですので、私がとやかく言うつもりはありません。中の人を生暖かい目で見守るのが関の山。

曖昧に徴収された著作権料は、実に曖昧に配分される。実はそれだけではなく、JASRACそのものの収入(著作権料のうち運営費として計上されている金額、約150億円)の根拠が薄く、ほとんどが理事の報酬になっているという問題もあるのだが、

orz。根拠もなしにこういう事を書くなよ。一応JASRAC一般会計(PDF)バランスシート(PDF)も公開している訳なんだから、批判するなら根拠に基づいて批判するべきですよ。一般会計もバランスシートもいい加減きわまりないんだから、これを元に批判すればコラムの二、三回くらいにはなるだろうと思うんだけど。

「ほとんどが理事の報酬」って、100%に近いという事かな。JASRACの職員を500人と仮定して、年収を丼勘定で考えて千万円と考えると、人件費だけで50億はかかりますね。一般関係を見ると、業務費という欄があり、そこがだいたい55億。まぁそんなところだろう。そんなわけで、「ほとんど理事の報酬になっている」というのは、不適切な言い方だと思います。

長くなったので、いったんここで終わります。後編に続く。