公正取引委員会VS日本音楽著作権協会 その2
その1で「あまり面白そうな題材でもないんだよな」と書いた。なぜそんな事を書いたかと言うと、公正取引委員会は包括契約を問題にしており、包括契約が競争の阻害材料となっていると考えているようだ。確かに、これだけを読むと「JASRACは包括契約によって新規参入を妨害しているんだな」と素直な人は受け取るだろう。
だが、ちょっと待って欲しい。放送局が何故JASRACと包括契約を結ぶのかを考えてみて欲しい。放送局は、JASRACが音楽著作権を独占しているから包括契約を結ぶのだ。包括契約が個別契約になった所で、放送局はJASRACと契約を結ぶに決まっている。つまり、新規参入を何よりも阻害しているのは、JASRACが音楽著作権を独占している事そのものなのだ。
だから、アンチJASRACは今回の公正取引委員会の判断について、激しく怒らなければならない。「なぜJASRACが音楽著作物を独占している事を問題にしないのだ!」「JASRACが音楽著作者と結ぶ契約に違法性はないのか!」「JASRACが個人商店や個人飲食店と包括契約を結ぶ過程にもメスを入れるべきだ!」「包括契約を対象としたことで問題が卑小化されてしまう。公正取引委員会はお茶を濁すな!」と。