漫画家の立場が低いのは、意外と単純な理由かも知れない


タイトルは、2年前のエントリーであるhttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20060822/1156253914セルフパロディです。


雷句先生の提訴この方、色々なところで「漫画家の立場が編集部に比べて低いのは何故だろう」的な質問が繰り返されていますが、私から見ると単純な理由しか思い浮かびません。つまり、漫画家志望者の数が膨大であり、対して、漫画雑誌の数は限られている以上の理由が思い浮かびません。需要と供給の大いなるミスマッチ、それこそが漫画家の立場を低くしている要因ではないでしょうか。


漫画志望者、及び新人漫画家の立場が低いのは「幾らでも代わりがいる存在」だからに過ぎないのではないでしょうか。多少手荒く扱っても代わりがいる、使い捨てしようと代わりがいる。このような状態では、立場が弱くなるに決まってます。対抗する手段は、組合をつくって立場を強めるしかありませんが、それも無理でしょう。ダンピングする事で仕事を欲しがる方々の数は、少なくないでしょうから。


漫画家の立場を低くしているのは、日本における漫画の地位が高いことにあるのではないでしょうか。漫画の地位が高いため、編集部は漫画志望者に事欠きません。多少手荒く扱っても、代わりの漫画志望者が次々と供給されるのであれば、問題はありませんので。その多くの漫画志望者の裾野から、ピラミッドがそびえ立っているのが漫画界の状況でしょう。下にいるほど数は多く、上に行くに従って数は少なくなる。自分の立場を行使できるものなど、ごくごく一握りなのでしょう。


ここで疑問なのは、雷句先生は、ピラミッドの頂点に位置するごくごく少数の漫画家と言うことです。例外的に立場が強いはずの雷句先生の立場がなぜ弱かったのか。この謎を解ける自信はありません。