外国人参政権に反対する


この問題はデリケートな問題だと言う事は承知しているが、あえて参戦してみる。その前に、自分の立場を述べておくと、永住外国人参政権を与えることには反対している。参政権を得たいのであれば、きちんと帰化をするべきだと考えていたわけである。


では、本題に入る。海外の外国人参政権事情についてのメモ - 情報の海の漂流者経由で、外国人参政権をめぐる論点を知った。ふんふん、これは良くまとまっているな。これ抜きには外国人参政権問題を語れないと思いながら読み進めていったところ、ある記述にぶつかった。

肯定説からは、永住資格を持たない者に参政権が与えられない点及び10年以上の在留が必要な永住資格を要件とする点に対して批判がある(59)。我が国では原則として、帰化のための居住要件が5年(例外的に3年)以上、永住のための居住要件は10年以上と、帰化よりも永住の居住要件が長くなっている(60)。このため帰化のための居住要件にあわせて、5年以上または3年以上の定住者に選挙権を付与すべきであるという主張が多い(61)。

この記述はまいったな。


つまり、今まで私は無意識のうちに、日本国籍取得の方が外国人の永住より難しいと思い込み、それを前提に外国人参政権に反対していたため、自分の論拠が崩れてしまったのである。永住資格を取る事が、日本国籍取得と同等、あるいはそれ以上に難しいのであれば、外国人参政権に反対する理由はなくなる事になる。やっぱり、知識がないのに反対賛成をむやみに掲げるべきではないな。


一応、ネットをあたってみたけど、やっぱり永住資格を取得するのは難しいらしい。

国籍が変わるかどうかという大きな違いがありますので、申請のしやすさよりも、自分や家族の将来設計をよく考えて、選択していくことが重要かと思いますが、日本での生活期間が短くてすむのは、帰化申請ですので、期間だけを考えれば、帰化のほうが申請しやすいかと思います。

永住の場合、身元保証人が必要であったり、その方の収入の証明が必要となったりと、第三者に協力してもらうことが必要となる場合があります。

一方、帰化申請では、身元保証人を要求されることはありませんので、この点においても、帰化申請のほうが申請しやすいと考えられる場合もあります。

僕の感覚ですと、一般的に永住許可申請よりも帰化申請のほうが申請しやすのではないかと思っています。
帰化申請と永住許可、どちらが申請しやすい? | 名古屋会社設立代行オフィス


と言う訳で、永住権を得る事が難しいと言う以上、永住外国人帰化した方々を区別する理由はなくなったわけで、外国人参政権に反対する理由もなくなった。


しかしである。永住資格の取得と、日本国籍取得の困難さが同等なのであれば、現在日本に来ている外国人の方々にとっては、外国人参政権は恩恵をもたらさないわけである。今国会で外国人参政権が成立して、恩恵を受けるのは既に永住資格を持っている方々、すなわち、在日韓国人在日朝鮮人の方々が恩恵を受けることになる。


民団と民主党はかねてから親密さが話題になっているし、民主党の方としても民団の支援を受けている以上、何としてでも今国会で成立させたいのであろう。しかし、外国人の永住資格の困難さをそのままにして、性急に外国人参政権を成立させていいものかとの疑問はわいてくる。例えば、在日外国人を、在日朝鮮人・韓国人とそれ以外に分断してしまう可能性はないだろうか。


外国人問題は、民団と民主党の関係とか、在日韓国人朝鮮人の支援を受けているとか、その様な狭い枠組みで考えるべき物事ではないように思える。民主党外国人参政権は、外国人問題を卑小化し、狭い枠組み、近視眼的な観点からしか見ていないように思うわけである。


永住外国人参政権を与えるかどうかは些細な問題であり、外国人の永住資格の要件緩和、日本国籍の取得条件緩和の方がより重要な問題である。そして、重要な問題を議論するためには、外国人参政権を性急に成立させず、すべての国民が議論を深めた後で成立させることが必要だと考える。


下手に外国人参政権が成立してしまうと、永住資格の厳格さが忘れ去られてしまう可能性、議論の俎上に上らない可能性がある。その意味で、今国会での外国人参政権の成立に強く反対する次第である。