日本ブレイク工業が搾取されているらしい件について

日本ブレイク工業』といえば俺のカラオケの愛唱ナンバーでもあったりするんですが、昨年カラオケで歌われた回数が40万回だったりするそうですよ。んでもってその収入が……だったりして。俺なんか思わず目が点になりました。

俺「40万回歌われて……ですか」
萬「ええ、マジにそうです」
俺「じ、じゃあほとんど●●●●●●が…」
萬「そうなんです」
俺「そんなの意味ないじゃないですか」
萬「意味ないですね」
【日記】中途半端な忙しさだ: たけくまメモ

これだけ観ると「をを、なんと言う酷い団体があるものか」と思ってしまうのだが、なんでも鵜呑みにしてはいけない。自分の頭で考えることが大切なのだ。

さて、冷静になって読み直してみると、驚くほどに情報が少ないことが分かる。つまり、歌われた回数だけしか数字が出てこないのだ。これだけで搾取されているかどうか、分かるものではない。

で、簡単に検証。もちろん、細かいことは分からないが、JASRACの使用料規定は、公示等 JASRACにあるので、まあ概要程度は割り出すことができるだろう。

通信カラオケの一曲当たりの使用料は、40円(JASRAC使用料規定第10節2(2))なので、40×40万曲で、ざっと1600万円。通信カラオケにおける、JASRACの管理手数料*1が15%*2なので、240万円がJASRACの懐に入ることになる。残りの1360万円が著作権者に分配される。

作品データベース検索サービスで、日本ブレイク工業社歌の権利者を調べてみると、作曲者と作詞家、そして音楽出版社が権利者であることが分かる。JASRAC分配規定によると、通信カラオケの場合、

(分配率等)
第43条 業務用通信カラオケ及びインタラクティブ配信に係る使用料の関係権利者に対する分配は、次の各号に定める分配率及び国際基準を適用して行う。
(1) 複製分配資金 第29条及び第30条
(2) 送信分配資金 第8条及び第9条

8条を観ると
パターン1:作曲者 8/12 音楽出版者 4/12
パターン2:作曲者 4/8 音楽出版者 4/8


また、29条では
パターン1:作曲者 8/12 音楽出版者 4/12
パターン2:作曲者 4/10 音楽出版者 6/10
パターン3:作曲者 4/8 音楽出版者 4/8


とある。権利者に有利な条件では著作権料収入の3分の2が分配され、権利者に不利な条件では折半されるようだ。このパターンのどれが適用されたのかは分からないが、ここでは折半されたと考える。


著作権料収入:1600万円
MANZO氏の取り分:680万円
音楽出版者の取り分:680万円
JASRACの取り分:240万円

間違っているかも知れないし、考え違いをしているかもしれないけど、まあたたき台と言うことで。

で、MANZO氏の取り分が680万円を下回るようであれば、搾取が行われていることになるが、たけくま氏が数字を公表していないので、実際に搾取が行われていたのかどうかは分からない。そして、もし下回るようであっても、JASRAC音楽出版者のどちらが搾取しているのかどうかは、分からない。

たけくま氏のブログだけでは、JASRACを批判することは難しい。

*1:これがJASRACの取り分

*2:JASRAC管理手数料規定別表