CDサントラ問題を検証してみる


id:shidho氏のぶくまコメントを見て、ガラスの艦隊 オリジナルサウンドトラック: 腹巻猫の劇伴BLOGへとたどり着いた。腹巻猫氏のサイトではないか。で、問題の文章を引用してみる。

サントラを構成するにあたっては、ひとつ制約がありました。「歌を含め全32トラック、1トラック5分以内に収めること」。これは最近、BGM集アルバムのJASRACへの使用料申請のしかたが変わったことによる制約です。ユーザにとっては、聴きたい曲にすぐアクセスできる1曲1トラック仕様のほうがいいのですが、今ではそれはなかなか許されないのです。1曲1トラックにすると使用料がかさみすぎて、コスト的に制作できなくなってしまうのですね。


該当すると思われるJASRACの使用料規定を見てみると、以下のようにある。

著作物を専ら音声のみ利用する場合のCD等1 枚(本)あたり5 分未満の著作物1 曲の使用料は、次により算出した金額に、消費税相当額を加算した額とする。

1 市販用のCD等
(1) 定価の明示のあるもの
CD等に著作物を利用する場合の使用料は、著作物1 曲につき当該CD等の定価(消費税を含まないもの)の6%をそのCD等に含まれている著作物数で除して得た額又は8 円10 銭のいずれか多い額以内とする。

(オーディオ録音の備考)
① 5 分以上の著作物については、5 分までを超えるごとに1 曲として著作物数を計算する。

つまり、5分以内の曲に関しては1曲。5分を超える曲に関しては、5分を超える毎に1曲ずつ追加されると考えるべきなのかな。つまり、以下のような感じなのだろうか。

00分以上〜05分未満:1曲
05分以上〜10分未満:2曲
10分以上〜15分未満:3曲

一曲毎の著作権使用料 = 定価の6%÷総曲数 or 8円10銭



腹巻猫氏のサントラは定価が3,500円。32トラックで、1トラックが5分未満な訳だから総曲数が32曲と考えて良いだろう。計算式に当てはめると、以下のようになるのだろうか。

3,500 × 0.06 ÷ 32 = 6.56 < 8.10
08.10 × 32 = 259.2円


例えば、定価が3,500円で、64トラック、1トラックが2分30秒のサントラを考えると、総曲数が64曲になるので
08.10 × 64 = 518.4円


極端な例として、定価が3,500円で、1トラック、1トラックが74分のCDを考えてみる。総曲数が74/5 ≒ 15
3,500 × 0.06 ÷ 15 = 14 > 8.10
14.00 × 15 = 210.0円


結論として、定価が安く、トラックが多く、1トラックの時間が短ければ短いほど高く付くことになり、定価が高く、トラックが少なく、1トラックの時間が長ければ長いほど安く付くことになる訳か。サントラには不利な計算方法という事は分かった。


ただ、サントラみたいな特殊な使い方の場合、

② オーディオ録音の利用のうち、著作物の利用の態様に鑑み本規定により難い場合の使用料は、利用者と協議のうえ、本規定の率又は額の範囲内で決定する。

に当てはまる可能性があると思うけど、誰かJASRACと協議したのかな。