JEITA内部の対立はどこまで本当なのか


権利者団体の記者会見の席においての椎名発言がちょっとした波紋を呼んでいるようだ。

「とあるメーカーが、極めて原理主義的に拒否反応を示し、これまでの議論も学習せず、さまざまな策を弄(ろう)して多数派工作を行った結果、と聞いている。メーカー側がやっていることは“ちゃぶ台返し”だ」(椎名さん)

 加えて「これまでサイレンスだった経産省というプレーヤーがいきなり参入してきた」と指摘する。「『文化庁案の受諾は難しい』という方向で経産省が動いていると、報道などを通じて聞いている。文化庁案を十分に理解しないまま、とんちんかんな対応がうまれている」
「ダビング10を人質になどしていない」「メーカーは“ちゃぶ台返し”だ」 権利者団体が会見 (1/2) - ITmedia LifeStyle


この発言に対し、本田雅一氏はiTmedia上のご自身のブログで、以下のように書いている。

というか、A社以外は支払うことに積極的ではなかったようなので、結局は「お金の問題じゃないよね」ということでJEITA内部の紛糾もすぐに収まったとのこと。
その一言で、個人的にはさらに信用できなくなりました<私的録音録画補償金制度での権利者団体の主張について:パースペクティブ・アイ:オルタナティブ・ブログ


JEITA内での内部対立という視点で考えてみると、椎名氏の発言からは深刻な内部対立が起こっていることが伺えるし、本田氏の記述からはJEITA内はまとまっているという印象を受ける。いったい、どちらが本当なんだろう。



手がかりになる記事が一つあった。

録録小委は5月29日に今期第3回会合を行う予定だったが,「電子情報技術産業協会JEITA)の委員から『意見調整が出来ていない』との申し出があった」(文化庁)ことを理由に開催が延期されている。
ダビング10の延期を確認,総務省の委員会で村井主査 - 日経テクノロジーオンライン

私的録音録画小委員会の延期は、権利者側とメーカー側の意見対立や、文化庁の問題ではなく、JEITA内部の意見調整にとまどっている事*1が分かった。JEITA内部で何かが起こっているのだろうか。


ところで、同記事の中に見逃せない文章がある。これも、椎名発言の裏付けかも知れない。

中村氏はまた,「この問題は,既に官の問題でもあると認識している」と述べ,(状況の打開に向けて総務省文化庁経済産業省の)「関係3省庁の担当者で話し合う場を設けた」と報告した。
ダビング10の延期を確認,総務省の委員会で村井主査 - 日経テクノロジーオンライン

*1:文化庁の発表という事に留意する必要はある