社会保障費の抑制は医療界に取っては大した問題ではないようだ


麻生首相の以下の発言に対する、世間の反応に注目していた。

麻生首相は27日夜、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針について、「(抑制の)限度に来ているから(現場で)いろいろ不満が出ている。(社会保障費が)毎年増えるのをどうにかしないといけないという話は確かにあったが、結構、限度に来ていないか」と述べ、見直しを示唆した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081128-OYT1T00074.htm


しかし、医療界からは大した反応がなかった。私としては、医療界の方々が「麻生首相の方針に賛同する声明文を発表する」とか「医師会のトップが麻生首相に会談を申し込む」とか、そのような行動を起こす事を期待していたのだが、医療界にとっては、2200億円抑制すると言う政府方針の見直しより、麻生首相の「医師は常識がない」発言の方が、よほど重要な事なのだと感じた。


「首相の発言が軽い」と言う事は、反応を起こさない理由にはならない。首相の発言がいかに軽かろうとも、便乗する事でマスコミに対してアピールを起こす事ができるし、社会的論議を起こす事が可能だっただろう。社会保障費の抑制が真に重要な事だと考えているのであれば、何かしらのアクションを取る事が可能だったはず。現に、失言の時にはアクションを起こしたわけだから。しかし、医療界の方々はそのような行動を取らなかった。と言う事は、大した問題だとは考えていない事になる。


私としては、医療費の自然増分を考えると、2200億円の抑制は無理もいいところであるし、この方針を一刻も早く見直すべき。と言うか、「見直す」と言う表現すらも悠長であり、即刻撤廃するべきだと考えているのだが、医師の方々はどのように考えておられるのか、不安を覚えてしまった次第である。


私の心配は杞憂であると言う事なのだろうか。