よみきりものの… たちこめるバラのかおり

よみきりものの…の新刊を購入したので、感想でも。ま、いつものいつもの竹本泉と言う印象なのですが。


「かたいふし」
体の硬い女子高生が主役のお話です。肩がおかしくなったり、背中のスジが違ってしまったり、急に足がつったり、「これ絶対作者の実体験が投影されているだろ」と思いましたが、実際にそう言うお話だったようで。ただ、女子高生が主役なので、妙な色気を醸し出しているように思わなくもありません。


「やわらかいふし」
「かたいふし」とは逆に、体の柔らかい女子高生が主役のお話です。ただ、単に体が柔らかいと言うだけで話が終わってしまうため、インパクトに欠けているかなあ、と言う感想です。お話おじさんらしき人が出てきますので、るぷ・さらだが好きな人は懐かしさを覚えるでしょう。


「ビューティフル☆サーカス☆ライフ」
竹本泉お得意の、どさ回りの火星のサーカス団です。解散したため、サーカス団をクビになった三人組が大道芸人となり、あちこちの町を流浪するというお話です。これも話の筋というものはないので、感想に困りますが、いつもの竹本泉という感じではあります。


「たちこめるバラのかおり」
表題作です。トンネル技士の女の子が、トンネルを掘ったりお風呂に入ったりというお話です。「かたいふし」と同様、かわいい女の子が色気のない格好をしているところに、微妙な色気を感じます。主人公の女トンネル技士が、三つ編みでそばかすというのもポイント高いです。三つ編みでそばかすの女の子を書かせれば、竹本泉は天下一品ですね。


魔法使いの弟子
この話、結構お気に入りです。「たちこめるバラのかおり」に匹敵するかも知れません。なんと言っても、あの「ふわふわエレン」が登場するのです。これだけで満足です。昔馴染みの女の子に再会した気分です。なお、後書きで竹本氏は「自分のまんがの設定って、ふつうの世界物と魔法の世界物の2本なんだよねーっ」と仰っていますが、なんと、ふわふわエレンは「ふつうの世界物」に分類されるそうです。訳が分からないのですが、何となく訳が分かった気になるのが、竹本泉のミステリアスなところなのかも知れません。


「みみだったりみみだったり」
この作品は、個人的には微妙でした。微妙というか、難解なのですね。家系的に犬耳の女の子が主人公なのですが、何と言っていいやら。



全体を通しての感想は、やっぱり、いつものいつもの竹本泉です。