強きを助け、弱きをくじく、河村たかし

しばらく前の話だが、民主党河村たかし氏が「市民税減税」を公約にして、名古屋市長選に立候補し、当選したことがあった。その続報。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090903k0000m010151000c.html

市財政課によると、10年度の収支不足は約260億円。減税をした際はさらに約230億円不足し、収支不足は計約490億円に膨らむ。同課は09年度予算ベースで、旅費や物品購入に充てる物件費や投資的経費に30%、生活保護や児童手当などの扶助費に15%の削減率を一律に掛けて計238億円の削減目標を設定した。削減する事業は来週までに各部局が市長に報告し、議論のたたき台にする。

最も多い約63億円の削減を求められた市健康福祉局の削減検討対象には、高齢者医療を無料にする福祉給付金や、障害者医療費助成などがある。田嶋仁美総務課経理係長は「市民サービスに影響がないようにしたいが、削減額が大きすぎて難しい」と苦慮する。

約41億円の削減を目指す市こども青少年局では、一人親家庭の医療費全額助成や、第3子以降で3歳以下の子供がいる家庭に月2万円を支給する「子育て支援手当」などが検討対象。


これは凄いなと思う。市民税減税自体は財源が問題だと思っていた。「財源がないんだから、減税なんて出来るわけない」と思っていたのだが、生活保護や児童手当のカット、障害者医療、高齢者医療のカット、一人親や子育て支援をカットして、市民税減税の財源に使おうとは思わなかった。なりふり構わず市民税減税を実行する河村たかし、恐るべし。弱者への給付をカットして、強者に対してお金を回すことを名古屋市民は選択したことになる。


私などは、「負担の軽減を選択し、結果的に負担増を招いているようなものだろう」とついつい笑ってしまうのであるが、よくよく考えると笑えない。確かに、名古屋市民は安直に低負担を選択し、低負担を選択した結果、混迷しているように思うのだが、河村たかしを選択した今の名古屋の姿は、民主党政権を選択した明日の日本の姿なのだろう。