みつどもえ 207卵性 裏切りはあたしの名前を知っている

宮下ファンにとっては歓喜な回であり,不憫な回でもあり,様々な感情がない交ぜになった回でしたが、最終的な印象は「宮下さん最高!」という事になりますね.あと,髪型のせいかふたばが妙にかわいかった.吉岡さんの眉毛は心なしかほそめですねえ.


あらすじ

チーム杉崎と三つ子が壁新聞のために丸井家へ来ています.話の発端はひとはが「杉ちゃん」呼ばわりしたこと.宮下さんはひとはに「宮ちゃん」呼ばわりして欲しいようですが,ひとはは拒みます.そうこうしているうちに猫が帰ってきました.猫に名前が付いていないことを知った宮下さん.猫に名前を付けることを提案し,「ミャーちゃん」と名付けられましたがこれは宮下さんが拒否.「宮ちゃん」と「ミャーちゃん」が被っていることがお気に召さないようです.そこで壁新聞で猫の名前を募集しようと云う事になり,ふたばがイラストを書きます.しかし,ふたばが宮下さんとおっぱいを書いてしまい,猫は「チブサ」と名付けられてしまいました*1


1.濃厚な宮下さん回

今回の話は,「ひとはの『杉ちゃん』発言」「ネコの名前付け」「壁新聞」という要素で構成されている思いますが,それらすべてに宮下さんが絡んでいると言う回でした.つまり,宮下さんがいなくては話が成り立たない.その分,宮下さんが紙面に占めるウェイトも多く,宮下さんの突っ込み,うざさ,必死さ,良い人さ,まともさが全て描写されていたような回でした.宮下ファンには「宮下さんかわいいよ宮下さん」という他ない出来ではあったでしょう.


ただなあ,もう少し三女さんと宮下さんが仲良くしている姿が見たいなあと思います.ひとはが宮ちゃんと呼ぶためには,人間関係が深まるようなイベントが必要なので,もう少し熟成を待る必要があるんでしょうね.あと,宮下さんがネコに嫌われるのはやっぱり不憫かなあと思います.チブサに関しては宮下さんさほど悪くない……あ,ミャーちゃんを拒否したのは宮下さんか.ただまあ「ろくでもない展開」というのは,まさにその通りなんでしょうね.


多少の不憫さは残りますが,みっちゃんと宮ちゃんは「いじられればいじられるほど」人気が高まりますので,これはこれで良いのかなと思います.ひどいめにあった時に思わず感情移入してしまうんですよね.作者自身が宮下さんをどう思っているのか気になりますが,扉絵を見る限り,宮下さんを重要なキャラだと思っている事は間違いないでしょう.気に入ってなければこの様な柔らかい表情は書かないと思います.



2.照れ照れひとはさん

宮下さん相手では無敵なひとはさんですが,杉崎さんを「杉ちゃん」呼ばわりしたと宮下さんに突っ込まれたときには動揺してしまいます.確かに杉崎さんとひとはさんは親密なイベントが続きましたし,杉崎さんに対してある程度心を許しているのかも知れません.そして,無意識に「杉ちゃん」と呼んでしまったために動揺したと言う事なのでしょう.


ひとはは周囲に対して心の壁を作っている子でしたが,チーム杉崎と交流することによって心の壁が崩れてしまったんでしょうね.そして,崩れてしまった心の壁に気づいてしまったので,真っ赤になっているという事なんでしょうね.感情変化の描写が相変わらず上手です.



3.動物同士の友情

チブサと名付けられてしまったネコですが,ハムスターのチクビ共々,けっして納得した名前ではないようですね.「『チクビ』でーす」と紹介されたときのチクビの黒オーラ.「ミャーちゃん」と名付けられかけたときのチクビの嫉妬,宮下さん「待て待てやめよう『ミャーちゃん』!!」の発言後のネコの不機嫌な表情.チブサと名付けられたときのネコのorzやそれを慰めるチクビ.桜井先生,動物たちをこんな生き生きと描写できるんですね,



4.熟年夫婦

みつどもえの中で熟年夫婦と言えるのはみつば・杉崎と宮下・吉岡だと思います.杉崎は最近ひとはとの絡みが目立っているのですが,ひとはの「杉ちゃん提案の今月のみっちゃん情報の方がマシだよ」という台詞や,それを受けた「まだ提案してないから!!」という杉崎の台詞を見るに,みつばと杉崎はすでにナチュラルな関係であり,これ以上の特別なイベントが必要ない関係だと思わざるを得ません.


宮下・吉岡の方は,顔をあからめながらうつむき加減に「宮下」と呼び捨てにする吉岡さんですね.名前を呼び捨てにするだけでも照れてしまう吉岡を見ると,何というか「初々しいなあ」と思ってしまいます.プールの回でも分かりますが,この二人には倦怠期は存在しないんでしょうね.

*1:なんだろう,この粗筋……?