危機からの脱出 「コロンビア麻薬戦争の捕虜」

ESCAPE! PRISONERS OF THE COLOMBIAN DRUG WAR
Produced by Film Roos for THE HISTORY CHANNEL
2000 A&E Television Networks


コロンビアの麻薬密売組織に捕らわれた、アメリカ麻薬取締局(DEA)捜査官の脱出を描いたお話。

1982年、DEAの捜査官が二人、コロンビアに入国した。コロンビア国内の麻薬組織を撲滅し、アメリカ国内への密輸を防ぐ作戦(ティブローン作戦)の一環として、捜査官は空からの捜査を命じられた。軽飛行機により、上空から海を監視する。船の名前を控え、積み荷の写真を撮る。捜査は順調に進展していったのだが、二人の滞在しているホテルに偶然にもアメリカで指名手配中の麻薬密売人が泊まっている事が判明し、二人の運命は一変する。捜査官は、まずはホテルのフロントに、その密売人が泊まっているかを確認したが、それは大きな間違いだった。ホテルのフロントが麻薬密売人に買収されており、二人は追う立場から追われる立場へと変わってしまった。

短期の滞在を想定していたがために武器も持っておらず、捜査官は麻薬密売人に捕らわれてしまう。ホテルから車で連れ出され、あえなく殺されようとされたが、二人は銃弾を受けながらも脱出。銃撃によりケガを追いながらも二人は夜を徹して逃走し、コロンビア海軍基地へと保護される。二人が救出されたことを知るや、アメリカは直ちに行動に出る。DEA捜査官の誘拐と殺人未遂を許すわけにはいかなかったのだ。DEAの中南米支局長がコロンビアに入り、犯人の捜索を指揮する。犯人の指名手配ポスターが中南米全域に配られ、犯人が見つかるや否や、コロンビア警察が数機のヘリコプターと五十人近い警官で特別機動部隊を編成し、犯人の逮捕に成功。ティブローン作戦で2500トンの麻薬を押収するという成果を残した。


正直、捜査のプロにしては捕まり方が間抜けな気もしないでもない。不慣れな土地でノコノコと麻薬密売人の事を聞くってのはどういうことなんだろうとは思う。でも、最悪の状況下にも関わらず、二人が無事生還した。ベテラン捜査官と言うこともあるんだろうけど、最悪の事態を想定して日頃から教育していたんだろうな。DEAの底力を観る思いだった。

あと、やはりアメリカという国の恐ろしさも実感するね。自らの国益のためなら、世界のどこへども出かけていく姿勢。今回のことは麻薬であるが、基本的にはアメリカ国内の問題である。にも関わらず、必要とあればコロンビアへも出かけることを厭わない。軍がバックにあるんだろうけど、必要な時に必要な決断を下す、戦争になることも恐れない。その辺りが、アメリカの強さなんだろうね。