5・6話

#5 無人戦車ユニトロン
POINT 783

地球軍は科学の粋を結集してユニトロン戦車を完成させた。無線誘導またはコンピューターで動作し、どんな攻撃にも耐えうる無敵の戦車である。ユニトロン戦車のお目見えを翌日に控えた地球軍であったが、ミステロンが地球軍最高司令官の暗殺を予告してきた。ユニトロン戦車の会議へと向かう最高司令官に対し、スペクトラムキャプテンスカーレットとブルー大尉を護衛に付けた。方やミステロンは、ストーム大佐とブルック少佐を殺害しロボット化させる。第一段階として、会議の席上ブルック少佐が自爆するのだが、少佐がミステロンのロボットだと気付いたスカーレットにより最高司令官は殺害を免れる。翌日、ユニトロン戦車を視察に訪れた最高司令官であるが、ストーム大尉はミステロンの命に従いユニトロン戦車に司令官を攻撃させる。スペクトラムの攻撃にもユニトロン戦車はびくともしない。スカーレットは追跡戦闘車で最高司令官を脱出させようとするが、同乗していたストーム大尉に銃を突きつけられる。銃弾を浴びながらも、スカーレットは射出座席で大統領を脱出させることに成功した。

自爆ネタは一話で使ったばかりなので、やや新鮮味に欠けるなぁ。ユニトロン戦車に司令官を攻撃させるというネタも、使い古された感はある。キャプテンスカーレットは1967年の作品なので、新鮮さを求めるのは酷だとは思うけど。全体的に、平凡な感じのお話。

見所はユニトロン戦車対エンゼル編隊の戦いとか、ユニトロン戦車対追跡戦闘車の戦いとか。メカが主役のお話なんで、ちと食い足りない。とは言うものの、自動操縦で動く戦車が暴走し、司令部を狙うってあたりに、ジェリー・アンダーソンのにおいを感じるわけですが。

そうそう、最後に銃弾を浴びるスカーレットがやはりいい感じです。命は散ってしまうが故に尊いのだなあ。キャプテンスカーレットは架空のお話なんだけど、実際に不死身の人間がいたとしたならば、キャプテンスカーレット同様に安っぽく扱われてしまうんだろうな。

最高司令官「スカーレットに対する君の処置は理解できん。出血して死にそうなのにスペクトラムのヘリコプターが来るまで三時間も放っておくとはけしからん。近くの陸軍病院なら十分で行けたぞ」
ブルー大尉「はい、しかしそれには特別な事情がありまして」
最高司令官「特別な事情だと。彼は私の命の恩人だ、手当てが遅れて死んだらどうする!」

最高司令官の熱さがいい感じ。命の恩人であるスカーレットの事を本気で心配しているんだな。スカーレットの不死身はどうやら最高機密事項らしく、秘密を守るためなら苦しんでいるスカーレットを放置することさえ厭わない。スペクトラムの非情さもよく現れている。



#6 タイムを追え
OPERATION TIME

病院の手術室。マグナス医師が新型の脳波測定器を用いた脳手術に成功した。マグナス医師はティエンポ将軍の脳手術を控えており、その予行演習を行ったのである。同時刻、ミステロンはスペクトラムに「タイムを暗殺する」と謎めいた予告を行う。タイム=時間と考え、時間に関連のあるもの全てをリストアップするスペクトラムだが、関連事項の膨大さに手詰まりとなる。スペクトラムが「タイム」を追っている間、ミステロンはマグナス博士を殺害し、ロボットに仕立て上げる。一方、スペクトラムではマゼンタ大尉が「ティエンポ=スペイン語のTIME」と言う事を発見し、ミステロンの目標がティエンプ将軍だと言うことが判明する。ティエンプ将軍を保護するため、スペクトラム基地で手術する事にしたが、執刀医はミステロンのロボットと化したマグナス博士である。マグナスは脳手術の最中にティエンプを殺害せんとするが、なんとキャプテンスカーレットがティエンプの身代わりとなっていたのであった。スペクトラムに追いつめられたマグナスは発電室へ逃走するが、ブルー大尉の手により高圧電流にて死亡し、ティエンポ将軍の手術ははターナー医師の手により無事に成功する。


世紀の怪作である。封印―史上最強のオタク座談会でもちょっと触れられていたけど、有名な「キャプテン、脳手術で殺される」って話が、この話なんだね。

「騒いでももう手遅れだ。将軍は死んだぞ」
「残念だったなマグナス。手術したのは、キャプテンスカーレットだ!」

orz。脳手術で死ぬ主人公ってのがまず酷すぎる。スペクトラムも、マグナスが怪しいと分かっているのならマグナスを逮捕するなり何とかしろよと。スペクトラムがどの時点でマグナスに疑問をいだしていたのかが分からないし、スカーレットを身代わりにしてまで、なんで手術させるのかね。*1

ミステロンもミステロンだよね。脳手術なんて凝った殺し方をしなくても、普通に殺せばいいんじゃないのかな。マグナス医師は平気で殺せた訳だし、スペクトラムは最初ターゲットに気が付いていなかったわけだから、ティエンポ将軍の護衛も薄かったはずだよね。

どうもスペクトラムもミステロンもふざけているように見えてならない。地球防衛も人類絶滅も、もっともっと真面目に行うように。あとナレーションうざったいです。小学生がターゲットなのかな、噛んで含んでいるように説明しているんで、馬鹿にされたように聞こえる。

ラストでホワイト大佐が下のように言っているのだが、

我々にとっては売るところの多い戦いだった。我々は今回の戦いでミステロンがX線を通さない。と同時に、彼らが人間と同じに高圧電流に弱いと言うことを知ったわけだ

二話でキャプテンスカーレットは医学的な検査を受けたはずだが、その時はレントゲンはどんな感じで写ってたんだろう。今のスカーレットも、ミステロンの影響を脱したとは言うものの、ロボットと言うことにはかわりがないと思うんだけど、ね。

*1:とは言ったものの、こういうあっけにとられるような展開は大好きだ