7・8話
#7 消えたロケット
Renegade Rocket
ホワイト大佐の親友、リーブズ少佐がスペクトラム基地に視察に訪れた。基地からの帰途、水中翼船でコンコード基地へと向かう少佐であったが、その様子をブラック大尉が伺っていた。突然、少佐は気分が悪くなりデッキへと出て行ったが、海へ転落。ミステロンのロボットにされる。コンコード基地で、少佐は管制官を射殺し、VGRロケットを発射した後、迎撃ジェット機で逃走する。。ロケットには強力な焼夷弾が付いているのだ。なんとしてもロケットによる被害を食い止めたいスペクトラムだが、少佐がコントロール装置を盗み出したため、ロケットの目標が分からずじまい。自爆させるにもコントロール装置のパスワードが必要であり、そのためには少佐を発見しなければならない。コンコード基地に向かったキャプテンスカーレットとブルー大尉だが、ロケットはレーダーに写らず、捜索に難航する。しかし、レーダーに写らない事から、ロケットは垂直に射出されたと推測され、ロケットの目標がコンコード基地だと言うことが判明する。エンゼル隊の活躍により、少佐を発見する事に成功するが、少佐は海面に激突し迎撃ジェット機は大破、コントロール装置の回収に失敗する。刻一刻コンコード基地に迫るロケット。ロケットを自爆するため、リストを片っ端から当たるが、確率は一万分の一。キャプテンスカーレットとブルー大尉は、ホワイト大佐からの避難命令を無視し、間際の間際まで暗号名を探そうとするが、探し出せるはずもない。刻々と迫るロケット。しかし、爆発の数秒前、海中に沈んだコントロール装置が偶然にも動作し、ミサイルは自爆した。ミステロンの計画は失敗に終わったのであった。
えっと、あらすじからもおわかりのように、キャプテンスカーレットもブルー大尉も全く活躍しないんですね。単なる偶然でコンコード基地が守られたというエピソード。あたしゃてっきり、有人ロケットや有人ミサイルに、キャプテンスカーレットが乗り込んで、ミサイルに対し特攻を掛けるという展開を想像していたのに……orz。それならキャプテンの不死身能力も生かせるし。正直、肩すかし感は否めない。
あ、でもこれはあれなのかな。宇宙戦争のラストで憤る人の気持ちなのか。俺は一応SFファンなので、宇宙戦争の結末を知っていたし、何も思わなかったのだが、いまようやくアンチ宇宙戦争ファンの気持ちが分かったような気がする。
基地で、パスワードを解こうとする二人とホワイト大尉の会話がいい味出ています。
ホワイト「もう手は尽くした。君たちも避難しろ。ロケットはあと三分で基地に命中する。
ホワイト「キャプテンスカーレット。これは命令だぞ。はやく避難しろ」
ブルー「一度命令に背きたかったんだ」
スカーレット「申し訳ありません。無線が故障しました」
で、ラストでホワイト大佐に叱責される彼ら二人。
ホワイト「今更言うまでもないが、我がスペクトラムは厳格な規律の下に成り立っている組織である。命令には絶対服従でなければならん。処分は追って通知する」
グリーン「やはり軍法会議に掛けるのですか」
ホワイト「いや、今回だけは特別に見逃すつもりだ。勇敢な男達だ。彼らのような男がいる限り、いつの日かミステロンを倒すことが出来るだろう」
いつも厳しいホワイト大佐ではありますが、その内面は部下を思いやる気持ちに溢れているのですな。キャプテンスカーレットはキャラの個性が豊かに表現されているように思えるな。エンゼル隊はいまいちだけど。
#8 ホワイト大佐を守れ
White as Snow
ミステロンは宇宙放送衛星TVR-17を破壊し、ロボット化に成功する。TVR-17は方向をスペクトラム基地へと向ける。ホワイト大佐はTVR-17の破壊を決断するが、キャプテンスカーレットはその決断に反対する。スカーレットは技術者達の命が失われる事に憤っていたのだ。スカーレットの反対もむなしくTVR-17は破壊される。その時、ミステロンからホワイト大佐を暗殺すると予告が入る。ホワイト大佐は万一の場合を考え、スペクトラム基地から脱出を考える。大佐はスカーレットに不在時の指揮を依頼するが、先ほどの件がしこりとなっており、スカーレットは断る。ホワイト大佐はブルー大尉に指揮を委ね、スペクトラム基地を後にする。しかし、スカーレットはホワイト大佐の判断が正しい事に気が付き、大佐に対して怒ったことを後悔する。ホワイト大佐は海軍の原子力潜水艦に身を潜めるが、潜水艦の乗組員の一人ソーメスがミステロンのロボットとされていたのであった。大佐に危険が迫る。拳銃を手に、ホワイトの部屋へ向かうソーメス。ドアを開けると、そこに待っているのはホワイト大佐になりすましたキャプテンスカーレット。銃撃戦が行われ、ソーメスとキャプテンスカーレットは相打ちで死亡する。ホワイト大佐は、キャプテンスカーレットにより押し入れに押し込められ、無事であった。ミステロンの暗殺計画はまたも失敗に終わった。
ホワイト大佐とキャプテンスカーレットの仲の良さが伝わってくる、なかなかいいお話ではあるのだが、スカーレットとホワイト大佐の不仲を演出するために破壊されたTVR-17が不憫でならない。はっきり言って、犬死にとしか言いようがないよね。
なぜキャプテンスカーレットが原子力潜水艦にのっているのかとか、ソーメスの死に方が間抜けすぎるとか、細かいところを挙げるときりがない。それが、キャプテンスカーレットクオリティ。しかし、ブルー大尉はなぜスペクトラムの非番の隊員に「霊長類の生理学」の講義を受けさせたんだろう。訳が分からん。スカーレットばかりでなく、ブルー大尉も変な人だと言う訳か。
ラストシーン、ホワイト大佐はカンカンである。キャプテンスカーレットは「上官の命令を無視して潜水艦に入り込み、上官に暴行を働き、上官をなりすました訳だ」と宣い。
ホワイト「よろしい、覚悟は出来ているな。キャプテンスカーレット、司令官の名において銃殺にする」
スカーレット「はい、分かりました」
ホワイト「しかしだ、不死身のお前を銃殺にしたところで意味はないな。中止する。下がれ」
仲のおよろしいことで。グリーン少尉がニヤニヤする気持ち、分かりますねぇ。