政治家と業界と消費者と

PSE法で経産省は誰に話を聞けばよかったのか? - アンカテを読んでいて、色々と刺激されたのでトラックバックの形でレスを返してみます。


一般に、自分たちの利益と相反する人の動向には誰でも敏感なので、業界と消費者が対立するものだとしたら、何が消費者の不利益になるか、本当によくわかっているのは業界団体のはずである。

何が消費者の不利益になるか、本当によくわかっているのは業界団体ではなく、消費者団体だと思います。確かに、業界団体も消費者の利益、不利益に関してある程度は分かるでしょうが、業界団体がそこまで消費者のことを考える必要はありません。

業界団体はあくまでも業界の利害を代表しているわけですので、業界の利益を追求するのが役割です。消費者の利益を追求するのは、消費者団体の役割です。

おそらく家電メーカーの関係者に事前に打診をしたと思われるが、その時に、中古業者やビンテージ楽器、オーディオ等に関する注意は無かったのだろう。

オーディオの輸入業者に関しては事前に打診したでしょうね。中古業者やビンテージに関しては、業界団体が存在しなかったために、経産省はどこから意見を汲み取ればいいのか、どこに打診をすればいいのか分からなかいという一面があるかと。

PSE騒動が起こるまで、業界団体が存在しなかったというのは、中古業界側の大きな失点だったと思います。ただし、これは結果論ですね。私自身、業界団体の力がこれほどに大きいとは想像してなかったです。業界団体のある業界にはスムーズに情報が行き渡るのに対し、業界団体がない業界にはなかなか情報が行き渡らない。ここまで違うものかと思いました。

それで、官僚や族議員と「団体」との癒着を批判するのは、「公正さ」の観点からは当然のことである。

業界団体が自分たちの意見を政治に盛り込むためには、政治家と密接な関わりが必要だと思います。ある程度の癒着は、民主主義である以上、当然だと思います。

ただ、業界団体と政治との癒着が、消費者の利益を損なうという懸念があるのは当然です。そこで、消費者団体が大きな役割を担うことになると思います。消費者団体と政治が癒着することで、消費者の意見を政治に盛り込む事が可能となるだろうし、政治家に関しては貴重な情報源となるのではないでしょうか。

著作権PSE問題を眺めていると、政治や行政や業界団体の問題が確かに目に付くのですが、一番大きな問題は、消費者の力の弱さ、消費者団体の力の弱さだと思います。