古川さんに返答してみる


古川さんからコメントをいただいたので、返答してみます。

報告書、資料、各回の議事内容全て公開されております。それを全てご覧いただければ、ご指摘の内容に対して別の理解をいただけると思います。

なるほど、報告書はきちんと公開されていますね。これは私の認識が間違っていました。議事内容というのは、議事要旨の事でしょうか。PDFで2ページしかないので、国民が判断する材料としてはいささか内容に乏しいかと思います*1竹中大臣が判断する材料としてはこれで構わないんですが。2ページの議事要旨以外に、個人名が伏せられた詳細な議事録というのがあるのでしたら、ご教授いただけると幸いです。



では、内容の乏しさを具体的に指摘します。

4番目はNHK問題です。ここは、まずNHKが持っている8つのチャンネルは縮減すべきだと、これは既に私共が結論に達していたところでありますが、それを改めて確認いたしました。
通信・放送の在り方に関する懇談会(第5回)終了後

以上の引用文から、私的懇談会が「NHKのチャンネル数は削減するべきである」と言う結論に達したことがわかります。会員の方々の間で、激しい議論が行われた末にこのような結論に達したのであろうと言う事は、容易に想像がつきます。


しかし、議事内容を見ても、どのような議論が行われたのか、わからないのです。議事要旨を見る限り、NHKのチャンネル数削減について話し合われたのは第2回会合の様ですが、チャンネル数削減についての話は以下の引用文くらいです。

○ NHKの事業範囲について
(構成員の意見)
・8つの波は多いという印象がある。波の数が減れば受信料も安くなるのではないか。
通信・放送の在り方に関する懇談会第2回会合議事要旨


これを読む限り、NHKのチャンネル数削減は「構成員の一意見」にしか過ぎないのに、いつの間にか私的懇談会の総意と言うことに変化しております。議論の末にNHKのチャンネル数削減が決定されたのではなく、「NHKのチャンネル数削減」を前提とした議論が行われたとしか思えません。

先ほども述べたように、私自身は議論の応酬を経てから結論が出たのだと思っていますが、印象としては結論ありきの議論だったと思わざるを得ません。「密室の議論」だと批判されるのも無理はないと考えます。「密室ではない」と主張されるのであれば、最低限の情報が必要かと考えます。

  1. どの委員がどの立場でどのような発言を行ったか
  2. 懇談会の中でどのような議論が行われ、どのような結論に達したのか


これが公開されてないと、国民が私的懇談会の内容を判断することは難しいと考えます。


もう一つ、古川さんのコメントに以下のようなものがありました。

誰がどの発言をしたかを伏せた理由は個人に対する攻撃や執拗なトレース、もしくは懐柔策を避けるためだったとでも言えるでしょう。

国民に対して責任を持っているのであれば、どの構成員がどのような発言をしたのか、国民がトレースできるべきかと考えます。トレースの解釈が間違っているかもしれませんが、それに関してはご容赦を。

また、発言者名が伏されていたところで、構成員のリストや各懇談会での出席者が明記されている以上、個人攻撃や懐柔策を取ることはできなくはないと思いますが、いかがでしょうか。

*1:第6回、7回の公開ヒアリングの議事録はさすがにきちんと公開している。内容も興味深い。あのレベルの議事録が毎回公開されていれば、私も「密室」などという言葉は使わない。毎回毎回時間を割いて議論しているのに、2ページしかない議事要旨しか公開されないのはもったいない。