「小女子を魚というのが悪質という裁判官とそれを支持する者は、問題が全く見えていない 」と主張する者は、問題が全く見えていない


小女子事件に関してはネット界が二分されているようだし、双方に接点が全くない。つまり、相互に違う事を考えているので、分かり合えるはずもないし、分かり合う必要もない。お互いに見えているところが違うのだ。


最初に私の立場を表明しておくと、警察や検察、そして判決に賛成している。また、犯行予告があれば、警察は出動するべきだろうし、犯罪を未然に防ぐべきだと考えている。


小女子事件で警察が予告犯を逮捕した理由は、id:kentultra1氏が簡潔に書いている。

あの凄惨な殺人と、なんの危険もないアホのイタズラを同列に考えるのは、間違った正義感の暴走である。あの凄惨な事件を防ぐには、警察は危険がないアホのイタズラに無意味なリソースを割いて無意味なポーズを取るよりも、もっとまじめに再発防止の対応に力を注ぐべきである。
小女子を魚というのが悪質という裁判官とそれを支持する者は、問題が全く見えていない - kentultra1の日記

ここまで分かっていながら、なぜkentultra1氏が警察の逮捕に反対するのかがよく分からない。警察が犯罪予告に立ち向かわなければならない以上、アホのイタズラに無意味なリソースを割く訳にはいかないのは明白である。アホにイタズラをさせないためには、「アホのイタズラ」に対して逮捕し、刑罰を与える事で、イタズラをしたらどのようなペナルティを受けるか、世間に知らしめる必要がある。


どのような効果があるかは明白であろう。犯罪予告をする者は「捕まる事を前提に犯行予告をする奴」「よほどにアホな奴」「本気で犯罪予告をする奴」に絞られる。つまり、警察としては対処しやすくなり、無意味なリソースを割く必要がなくなる。警察にとっては合理的な行動である。


また、kentultra1氏は以下のように書いてある。

加藤の書込みは、アホのイタズラとは質的に全く異なるものであるし、だいいち、事前表明ばかりを取り締まれば、第2の加藤は、加藤のように無警戒に事前表明をせずに犯行に及んでより危険が高まるのは自明である。

この問題に関しては、一言で説明が付く。犯行予告を行わない奴に関しては「第2の加藤」とは言わないだろう。



ところで、言論の自由に触れないわけにはいかないので、簡単に触れておく。私が書いた事は、言論の自由に抵触している事は明白である。しかし、言論の自由より、人の生命を私は重視している。言論の自由と社会の安全を天秤に掛けた場合、社会の安全の方に傾くのである*1


裁判所の判決を批判している方々は「犯行予告が出た場合にも警察は出動する必要はなく、警察が出動しなかった結果被害が増えたとしてもそれはやむを得ない事である。人の生命よりも言論の自由が大切である」と思っているのかも知れないが、私はそこまで割り切る事はできない。

これを読んでいる皆さんは「社会の治安」「人の生命」と「言論の自由」のどっちを取りますか。

*1:私のような考え方が行き過ぎると、戦前の日本やドイツの様な世の中を支持する事に繋がる。このような考え方に危険性がある事は認める。私はkentultra1氏の見解に全面的に反対するわけだが、行き過ぎを防ぐためにはkentultra1氏のような考えを持っている方が、積極的に発言する必要がある