健康な人に対するインセンティブは必要でしょうね

麻生さんが失言を吐いたとの事ですが。

 麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日に公開された議事要旨で分かった。

 首相は全国知事会議で「医師は社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言し、陳謝したばかり。病気になるのは本人の不摂生のためとも受け止められる発言で、波紋が広がりそうだ。
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008112601000936.html

経済財政諮問会議のサイトに議事要旨が掲載されているので、問題の部分を抜き出してみます。

(麻生議長) 67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている。たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ。だから、努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブがないといけない。予防するとごそっと減る。
平成 20年第25回経済財政諮問会議議事要旨


失言と受け止める人がいるのは確かでしょうが、これ自身は正論だと思いますね。共同ニュースの加工の仕方が巧みなので仕方ないと思いますが、麻生さんは「病気になるのは本人の不摂生」と言いたいわけではなく、「努力して、健康を維持しようとしている人に対して何らかのインセンティブを」と言うニュアンスで発言していると思います。そして、健康を保つよう努力している人が、そのように思うのは自然でしょうね。


社会保障費は確かに「いつか自分が病気になった時のため、みんなで負担をする」ものだとは思いますが、禁煙したり、ダイエットしたり、節制を保つなど行っている人からみれば、ヘビースモーカーや肥満の人に対して医療費を払うのは、納得が行かないと思う事でしょう。


健康な人に、社会保障費をたくさん払って頂くためにも、健康を維持している人への公平感や、何らかのインセンティブは必要だと思います。逆に、不公平感が社会保障制度を瓦解させる事に繋がると思います。


[追記 0:34]
論理的に考えれば、不摂生な人は早死にするから、医療費は少なくて済む。一方、健康に努める人は長生きするから、その分医療費は高く付く。長い目で観ればトントンだから、インセンティブを考える必要はないと言う事も成り立つとは思います。しかし、私は「不公平」と言うのを問題にしており、不公平感が生じる事により、皆保険自体が瓦解する事を心配しているのです。


……それも無用な心配かな。