湿潤療法に関する個人的体験


夏井先生が書かれた新書が店頭に並んでいる。そのせいか、ネットでも湿潤療法の話題が賑やかになっている印象を受ける。最近、私も湿潤療法のお世話になったので、湿潤療法ブームに便乗する形で、体験談を書いてみることにする。


発端は、指に怪我をしたこと。ジャガイモの皮をピーラーで剥いている最中、あやまって指の皮を剥いてしまったのだ。


傷は5mm程度だったが、ピーラーによる傷は出血が止まりにくい。抑えても抑えても血が染み出てくるので、ふきんで抑えながら近所のイトーヨーカドーまで急いだ。血を流しながら、キズパワーパッドを購入し、イトーヨーカドー内のベンチで貼りつける。さっそく痛みが和らいでいく。


家に帰り、貼ったパッドを一旦剥がし、傷口を水道水で洗う。血はまだ止まっていないようだ。止血効果が高いと言うクイックヘルプもほしかったのだが、とうに発売中止では仕方がない。傷口はよく洗うべきなのだが、水道水がしみて痛かったので、ほどほどにしておく。水道水でさえ痛いのだから、消毒なんてしたら激痛が走ったに違いない。


傷口を洗ったあとは、新しいキズパワーパッドを貼った。パッドさえ貼ってしまえば、あとは痛くない。キーボードを叩くのに難儀したが、痛みが走ったのはその時だけ。入浴時に剥がしてみると、血は止まっているようだった。


翌朝、起床後にパッドをみると、浸出液を吸って膨らんでいた。普通にしていれば痛みはない。時々、指をぶつけたりキーボードを叩くときにはやっぱり難儀したが、痛みが走るのはその時くらい。3日目にはキーボードを叩くときの痛みも薄れ、4日後にパッドを剥がした。皮膚は赤くなっているが、治ったと考えて良さそうだ。



体験を元に湿潤療法を考察してみると、何と言っても痛みが少ないことに尽きる。キズはいずれ治るのだが、それまでに苦痛が耐えがたい。湿潤療法の最大の長所は、消毒による無益な苦痛を避け、そして傷口を適度なドレッシング材で覆う所にある。この二点により、傷の痛みを気にせずに日常生活を送ることができる。同じように治るのなら、痛みが強いより、弱い方がいいでしょう?


痛みがないと物足りないと言う方にはおすすめできないが、なるべくなら痛くない方がいいと言うのであれば、湿潤療法はおすすめできる治療法です。