大学の質
意外な反響を呼んだhttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20060822/1156253914であるが、コメント欄もにぎわっている。で、その中の一つ。id:Trick_or_treatさんのコメントを引用する。
待遇の良し悪しは、日本の工学系出身者が多いという事実に関連しているというようりも、質に大きく関連しているように思えます。粗製乱造では、日本の将来は明るくありません。日本の大学への中国から留学生を見れば一目瞭然。勤勉さや知への貪欲さが違います。
確かに大学教育に置いて質は大事だと思います。しかし、ここで言う「工学系出身者」の質とは、本質的に何なのかとも思う訳です。乱暴に言ってしまうと「学生の質、卒業生の質」とは大学でどれだけ勉強したのかと言うことになりますが、学生に勉強させるに当たっては見返りが必要となります。
大学側が学生に対して勉強させるに対して与えられる見返りは「大学卒業資格」であり、企業側が学生に対して与えられる見返りは「入社試験の合格」と言うことになりましょう。つまり、卒業が難しいほど大学生の質は高まり、同じように入社が難しいほど大学生の質は高まるでしょう。では、大学と企業、どちらが大学生のモチベーションに影響しているのかと考えます。
そのためには「大学に何しにいくのか」と言う問いかけが必要ですが、私は「就職するために大学に行く」のだと考えます。勉強したいから大学に行くという人もいるでしょうが、私はそのような人に対してちょっと現実感を持つ事が出来ません。大学に行くのが手段なのか、目的なのかという事になりますが、何かしらの目的があって、そのための「手段」として大学に行くのだと、私は思います。
さて、「就職」するために大学に行く人と言うのは、ぶっちゃけた話大学のレベルはどうでもいいことになります。大学は取りあえず卒業さえすればいい、もっと言えば大学卒業資格があればよくて、大学の評価などはどうでもいいわけです。あとは、就職先がどういう人材を評価するかですね。つまり、会社側が「大学の成績なんてどうでもいい。必要なことは会社で教える」と言うような考えを持っているのなら、必然的に大学生の質は下がると思います。また、逆に「うちの会社へ入るにはTOEIC900以上が条件だ」とか「○○の回路設計が自力で出来る」とか「問題発見とプロセス思考をマスターしている」などの、客観的な基準が色々な会社に普及していくのなら、学生の方も自然と勉強するようになると思います。
まとめますと「大学生の質を作っているのは企業であり、大学生の質が低いのであれば採用する企業側に問題がある」と言う事になります。大学側は大学で問題があると思いますが、それは別のエントリーにて書くことにします。