入園拒否訴訟を伝えるメディアは、重要なことを報道し損なっている気がする


http://elmundo.cocolog-nifty.com/elmundo/2006/10/post_9290.htmlを見てぼんやりと思ったのだが、昨日判決が出た入園拒否訴訟の件であるが、メディアは概ね「鈴花ちゃんよかったねぇ」と言う視点で伝えていると思う。それは構わないのだが、なぜ裁判所が原告勝訴の判決を下したのかが伝わってこない。


受け取る人によっては「障害者の親のわがままのために、保育園に看護師を常駐させろと言うことか。これでは不当判決なのではないか」と思われてしまいかねない報道である。ある種のマスコミの傲慢さだと思うのだが、「自分がよいと思った事はみんなにもよいと思ってもらえるだろう」的な思いこみがあるのではないかと思う。この判決を否定的に捉える人だっているのだ。そのような人が読むことも考慮して記事を作るべきではないだろうか。


各種メディアが勝訴を伝える記事でほとんど伝えていない情報がある、産経新聞から引用してみよう。

痰の吸引は医療行為に当たり、医師か、医師の指導を受けた看護師が行う必要がある。鈴花ちゃんが仮入園した保育園に看護師はいるが、仮入園で市は非常時のため看護師を1人増員した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061023-00000006-san-soci


つまり、元々看護師がいた保育園だと言うことになる。元々看護師がいなかった保育園に対して、常勤の看護師を置いてまで自分の子供の入園を要求するというのは確かに不当だと言えるかも知れない。しかし、常勤の看護師さんがいるのなら話は別だろう。医療行為が提供出来る看護師を雇っているにもかかわらず、医療行為が必要な園児の入園を拒否するのはなぜだという疑問が出てくるのは当然だと思う。


市の言い分も分かるが、親の要望も筋が通っている。裁判所が原告勝訴の判決を出したのも頷けると、私は思うのである。