なぜ安田氏はNHK経営委員に選ばれたのか


誰もが思わず突っ込んでしまう様なトンデモ発言で話題を呼んでいる安田喜憲NHK経営委員に関心を持っている。なぜ彼のような方がNHK経営委員に選ばれたのだろうか、その背景を追ってみる事にした。


私の関心の端緒は(2/2) 「番組見なければ就職させない」 NHK経営委員「トンデモ」提言 : J-CASTニュースと言う記事。

放送法第16条によると、NHK経営委員は、公共の福祉について公正な判断ができ、広い経験と知識を持つ人から選ばれるとある。教育、文化、科学、産業などの各分野および全国各地方が公平に代表されるという。選任については、国民の代表である衆参両議院の同意を得て、総理大臣が任命する。

安田委員が選任された当時は、麻生太郎内閣だったため、川崎さんは、麻生政権の考え方が反映されているのではないかとみる。ただ、こうした選任方法には異論があると言う。

「うーん、なるほど。麻生さんに責任があるのか。でも、ちょっと待て。麻生さんの頃って、ねじれ国会ではなかったっけ」

当時、参院で多数派を占めていた民主党の意向により、日本銀行総裁人事が大混乱に陥った事、結果的に総裁人事に民主党の意向が反映された事くらいは私でも知っている。NHK経営委員の人選に国会の同意が必要であれば、民主党は「生みの親」という責任はなくとも、「育ての親」程度の責任はあると言う事になる。


と言う訳で、早速検索作業に入ってみた。驚くべき事に、以下のような記述が見つかった。

古森氏の退任表明を受け、政府が提案したのは前田、桑野両氏のほか、ホームエコノミストの篠崎悦子氏と多賀谷一照千葉大教授の再任2人。民主党は総務部門会議で、前田氏について「NHKの指定金融機関のトップが経営委員に就任するのは指導監督上、好ましくない」などと判断。再任の2氏については、「目立つ実績がない」ことから、不同意とすることを決めた。
混迷のNHK経営委員人事 前代未聞の委員長「空席」事態 : J-CASTニュース

2.23 NHK新経営委員,3氏決まる

 NHKの新経営委員3氏が国会で同意された。産業技術大学院大学の石島辰太郎学長,日本国際交流センターの勝又英子常務理事,国際日本文化センター安田喜憲教授の3氏。NHK経営委員は国会の同意人事で,08年秋に国会に提案されたが,野党の同意が得られず欠員となっていた。
http://www.nhk.or.jp/bunken/book/ugoki/japan_0904.html

2008年11月に、政府が提案した人選のうち、野党により3人が拒否された。そして、2009年2月に、安田喜憲が両院によって同意された。この流れを考えれば、白川日銀総裁同様、安田喜憲経営委員の誕生には民主党が大きくかかわっていた事になる。育ての親の責任もあれば、生みの親の責任も存在する事になる。


民主党が政府の提案を拒否した事を「党利党略」などと批判する気は無いが、安田喜憲経営委員の誕生に深く関わった以上は、なぜ安田喜憲を経営委員に選んだのか、民主党は国民に説明する責任があると私は考える。