2008-01-01から1年間の記事一覧

電子書籍は電子辞書に学べ

松下とソニーの撤退を受けて、ネットではにわかに電子書籍ブームが起こっているようなので乗っかってみる。代表的なのはこの辺りか。 ASCII.jp - トップ ソニー・パナの電子書籍端末が失敗したのは大手家電メーカー故の宿命か!? - キャズムを超えろ! 電子…

雷句先生の訴訟に対する違和感

雷句先生が訴訟を起こした原因については「原稿紛失が問題ではないんだよ」という声をよく聞く。一つには漫画家と編集者の立場の違いであり、一つには自分の好きなものを書かせては貰えないと言う事があるとの理由だそうだ。 しかし、これが本当であれば、雷…

漫画家の立場が低いのは、意外と単純な理由かも知れない

タイトルは、2年前のエントリーであるhttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20060822/1156253914のセルフパロディです。 雷句先生の提訴この方、色々なところで「漫画家の立場が編集部に比べて低いのは何故だろう」的な質問が繰り返されていますが、私から見…

失踪日記でみる漫画家と編集者の関係

雷句先生と編集部絡みの対立の話でよく言われる感想が「小学館の編集はなんてひどいんだ」と言う主張なんだが、私はその主張に違和感を覚えていたのであった。良いか悪いか別として、漫画雑誌の編集者ってそんなものじゃないのと言う印象を持っていたからだ…

度胸星打ち切りは読者に責任があるんだよ

一時期のヤンサンの馬鹿編集長は林じゃないよ。 - 脳髄にアイスピック 雷句誠氏の告発問題 についてその① - どどどの日誌 度胸星打ち切りに対して、編集者批判をしておられるのだが、編集部の打ち切り判断は当然だと思う。編集部が原因なのではなく、読者が…

雷句先生が訴訟を起こした理由を考える

陳述書を読んだ時、おかしな裁判だなと思った。 しかしながら、法的な側面でみた場合、未だ漫画の原稿を「著作物」として扱われることはあっても、「美術品」として扱った前例がない。漫画の原稿の紛失については、数々の事例があるが、いずれも「美術品」と…

そろそろフェアユースに対して一言いっておくか

実は、私はフェアユース導入論者である。それも、制限規定を全て外し、アメリカ流に権利制限規定を一般条項に集約するという方向が望ましいと思う。制度変更に伴う混乱は生じるだろうが、それもやむなし。フェアユース条項を導入して、法律のウエイトを減ら…

LinuxとGPLと著作権

こらあかん - おおやにきを読んでピンと来たので、リンク先を辿ってみるとやっぱり岡本氏の発言に言及されていた。 というのはJASRACとLinuxは同じという一見逆説的な書き方で、要するにみんなで一緒に権利を行使するのがJASRAC、みんなでいっしょに行使しな…

利用者側の説得力不足と言うのもあるかも

例えばYouTubeに違法アップロードされた動画を削除させることはできても、どうせ他のところにアップロードされるだけですから、すべてを削除することは現実的ではありません。また露出が増えるということは権利者にとって悪いことばかりではありません。です…

発言小町の著作権

http://d.hatena.ne.jp/komachimania/20080530/p4興味持ったので調べてみたよ。 発言小町へいただいた発言内容は、読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行する出版物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスまたは読売新聞社が許諾した他の媒体…

JEITA内部の対立はどこまで本当なのか

権利者団体の記者会見の席においての椎名発言がちょっとした波紋を呼んでいるようだ。 「とあるメーカーが、極めて原理主義的に拒否反応を示し、これまでの議論も学習せず、さまざまな策を弄(ろう)して多数派工作を行った結果、と聞いている。メーカー側が…

youtubeやニコニコ動画に対して積極的姿勢を見せる角川

──「明確なルール」というのは具体的にどのような基準になるのでしょう。福田 一律的な基準は設けていません。ひとつひとつの動画に対してルールを当てはめて審査していくことになります。 明確なルールを設定したが、一律的な基準はない──少し解りにくい話…

JASRACへの立ち入り捜査を陰謀論で考えてみる

先のエントリーで以下のようなことを書いた この調査によってJASRACが困るかと言えば、少しは困るだろうと言う他はない。しかし、JASRACとしては包括契約を個別契約に切り替えていけば済む話。泣きをみるのは放送局だろう。番組の中で使った局を一曲一曲集計…

夏への扉 落ち穂拾い

夏への扉の魅力の一つに、文化女中器、製図器ダン、万能フランクなど、さまざまな発明品が想像力豊かに描写されていると言う事だと思う。しかし、ハインラインの真骨頂は、未来社会の描写だと思うのだ。例えば以下のくだり。 「ごく簡単な経済問題だよ、あん…

空気読まずに夏への扉を語ってみる

id:ululun氏に触発されたので、ちょっと。 http://d.hatena.ne.jp/ululun/20080525/1211688587 「夏への扉」を好きですかと問われたら、好きだよと答える。主人公は天才発明家。しかし仲間と女に裏切られた。未来の世界に強制的に送られたものの、そこで復活…

予防接種も同じ事なんだろう

屈託なく予防接種を考える事は許させるのだろうか。 駆け出しのときに阪神大震災にあって、はからずも「トリアージ」という現場に立ち会うことになった私としてはですね、人命を救ったり見殺しにしたりした実体験のとぼしい人に、たとえ話のネタでトリアージ…

公正取引委員会VS日本音楽著作権協会 その2

その1で「あまり面白そうな題材でもないんだよな」と書いた。なぜそんな事を書いたかと言うと、公正取引委員会は包括契約を問題にしており、包括契約が競争の阻害材料となっていると考えているようだ。確かに、これだけを読むと「JASRACは包括契約によって…

公正取引委員会VS日本音楽著作権協会 その1

大きなニュースが出たので、久しぶりにブログを書く気になった。 音楽の著作権管理事業を巡り、自らに有利な内容の契約を放送局と結び、新規事業者の著作権管理市場への参入を不当に締め出した疑いが強まったとして、公正取引委員会は23日、独占禁止法違反(…

松村元課長最高裁判決に言及しているブログがあった

松村元課長の最高裁判決に対し、複雑な思いを抱いている方のブログを発見。しかも私よりスマートに書いておられます。迷惑かも知れませんが、紹介とトラックバックさせて頂くことにします。 被告人を糾弾することは,既にマスコミが十分やっていると思います…

イレッサに見る矛盾

世間では「薬害イレッサ」と読んでいるが、これは本当に薬害なのだろうか。つまり、厚労省は患者の利益を考えスピード承認に踏み切ったのだが、結果的に薬害と呼ばれ、世論やマスコミから袋だたきに遭ってしまった。 なぜ、イレッサはこんなに“優遇”されたの…

松村元課長の功績についてそろそろ言っておくか

薬害エイズで刑事責任が確定した厚生労働省の松村元血液製剤課課長。マスコミからも裁判所からも、そして世論からも総バッシングを受けており、悪人扱いされている。 その松村元課長、実は薬害エイズ問題について多大な功績を残しているのだが、誰もその功績…

著作権の帰属

小寺氏は百も承知で書いているのだろうが、一般の人に対しては補足説明が必要かも。 この発言趣旨は、番組制作に限らず、コンテンツ制作の現場で常につきまとう、根の深い問題である。「著作権はカネを出したヤツのもの」という意味であり、テレビ局は番組制…

パロディ条項とフェアユース

フランスではパロディ権が認められていると言う話や、パロディが著作物として認められているという話をよく耳にする。そのような話は、たいてい「先進国では表現の自由を著作権から守るものとしてフェアユースが定められており、パロディなどの正当な使用行…

都民は石原知事の責任を問うべきではない

都民が新銀行東京をいかに評価したかは、都知事選の結果が物語っているではないか。 新銀行東京は破綻させ、預金者を保護するためだけに都の資金を拠出すべきである。そして当然、独断でここまで事業を拡大した石原知事の責任も問うべきだ。 http://blog.goo…

JASRACの顧問弁護士

これもメモ 被告 社団法人日本音楽著作権協会 同訴訟代理人弁護士 田中豊 同 藤原浩 同 鈴木道夫 同 市村直也 平成18年(ワ)第10166号著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件 略歴 1973年東京大学法学部卒業 1977年ハーバード大学ロー・スクール修…

割りばし訴訟

判決自体は妥当だと思う。遺族やメディアの見解を知りたいなと思って各紙を一通り読んでみたけど、MSN産経が一番ひどいかな。反面、読売新聞の記事は淡々と事実を書いているような印象を覚える。 「どうして息子が死んだのか、ただ知りたいだけ」。事故から…

消費者団体と法人格

自分用メモ。 だから発足から60年もたつのに、主婦連はいまだに任意団体だ。これでは訴訟の原告にもなれない。 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/4ecee6eb261ec9a9a90e7349cc3f139c 現在の法律では、消費者団体が法人格を取得するためには、民法にもとづ…

これは医療事故なのか?

茨城県つくば市の「筑波メディカルセンター病院」(石川詔雄院長、409床)で行われた心臓手術の際、医師が患者の心臓の裏にガーゼを置き忘れ、8年8カ月後の再手術で取り出していたことがわかった。ガーゼは心臓に癒着していたといい、患者は再手術から…

冷凍食品の未来

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080206-OYT1T00212.htm?from=main1を見て、冷凍食品業界の未来は明るいな、と言う印象を受けた。 日清食品の安藤宏基社長は、今回の中毒事件を踏まえて食品の安全管理体制を強化するため、加ト吉への日清食品の出資…