著作権

閲覧権という言葉の重み

角川氏は、2つのリスクを解消し、2つの誤認を取り除くための方策として、国益の視点から著作権法を見直し、新たに“閲覧権”という権利を創設すべきと主張する。例えば、映画の収益では、劇場公開による「一次利用」、DVDパッケージの販売やレンタルによる「二…

情を知って

おいらの著作物が、ネット上に勝手にアップロードされてます! : ひろゆき@オープンSNS「情を知って」とあるけども、違法サイトからダウンロードしただけでは、違法になり得るかなり得ないか、判断できないのではないかと思うわけだが。少なくとも、以下の…

MIAUに対する些細な疑問

発起人一覧 - MIAUやhttp://miau.jp/1192976100.phtmlを眺めていて、些細な疑問が頭に浮かんだ。この名前の中に川内博史議員がいないのだ。川内議員は全国音楽利用者協議会の顧問であるし、ユーザーサイドの立場で協力して頂けるように思うのだが。 理由を邪…

DVD-Rは録音録画補償金の見直し対象から外すべきだ

臆病者の意見として聞いてください。 意見書では(1)補償の必要性に関する議論が尽くされていない、(2)制度の維持・対象機器の拡大を前提とした議論は問題、(3)DRMなどでコピー制限されているコンテンツは、補償の対象とする必要がない――と主張している…

私的複製の形骸化

適法配信からの私的録音録画が違法化される - picasの日記 適法配信の違法録画化によってビジネスモデルは変わるか - novtan別館上記のサイトで「文化庁は私的複製を違法にするという意図があるのでは?」という主張がされていた。大変興味深く読まさせて頂…

津田さんのブログに思うこと

色々と思うことがあるので、とりとめもなく書いてみる。 つまりこれは、現実的には文化庁の思惑や権利者の主張とこの審議会の審議の動き方を見るに、「補償金なくしてDRMバリバリの世界にいくか、補償金払う代わりに今までの私的複製の自由な範囲はいじらな…

幻冬舎次の一手

漫棚通信氏は、今でも圧倒的に有利な立場にあるんです。いつでも訴訟を起こせるし。他方、脅しを掛けた幻冬舎側が訴訟なんて起こせるわけがないでしょう。何を好きこのんで寝た子を起こせますか? 唐沢俊一&漫棚通信ケース: 大石英司の代替空港 全面的に同…

唐沢俊一と漫棚通信さんに関してちょっと考えてみた

これは盗作とちゃうんかいっ・決裂篇: 漫棚通信ブログ版に関して、ちょっと考えてみた。 「なお、漫棚通信様において非公開に同意頂けず、本件にかかる交渉経緯等を公表された場合、公表された内容につき、事実又は弊社側の認識と相違している内容等があった…

岡本薫氏は食えないお方だと思う

ベルヌ条約 (池田信夫) 2007-07-25 21:09:38 田村善之『著作権法概説』(p.30)によれば、ベルヌ条約は他国の著作物に方式主義を課すことを禁じているだけで、自国の著作物に方式主義を採用することは同盟国の裁量にゆだねられています。したがって登録制度は…

パンドラの箱を開けてしまった三田氏

三田氏は、宮沢賢治の例をあげて、彼が生前には1円の印税ももらえなかったが、その遺族は、松本零士氏の「銀河鉄道999」などのおかげで大きな収入があるという。しかし、これは賢治のインセンティブにならない不労所得である。 http://blog.goo.ne.jp/ikedan…

アップルのパブコメはどこかおかしいんじゃないのかな

アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張で紹介されている知財本部へのアップルによるパブコメだけど、主張が間違っているような気がしてならない。自分たちの立場を代弁している訳だから、ユーザー側には受けがいいんだろうけど、違和感を感じ…

何にお金を払っているのか

新古書店の問題は、著作権法でどうにかするべきではない、と言うことを最初に言っておく。http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2007/05/post_1142.php 森博嗣氏のよくあるタイプの新古書店批判。というか著作権があるからなんだというのか。 或い…

JASRACと北海道新聞のウェブ上の著作権利用に対するスタンスの違い

http://blog.hokkaido-np.co.jp/yone-b/archives/2007/04/post_16.htmlを読んで、興味を持ったので北海道新聞にお伺いのメールを出してみた。「メディアの節穴の文章をこのブログで使いたいんですけど、宜しいでしょうか」という趣旨の文章を、北海道新聞の…

JASRACは「おふくろさん」を利用禁止にしたわけではない

基本的に例の「おふくろさん」に関してですが - あそことは別のはらっぱ。の焼き直しですが。 まず抑えておきたいのは、JASRACが利用禁止をする際、どのように発表するかです。例えば、中虎連合会*1の事件の時、JASRACは以下のようなプレスリリースを出して…

日本人は「ゆがんだ著作権意識」で洗脳されてなどいない

日本人は「ゆがんだ著作権意識」で洗脳されている | 音極道茶室(旧アーカイブ) 本来あるべき著作権の議論から見れば、明らかにバランスを欠いている。このアンバランスさに全く違和感を感じない日本人は、知らず知らずの内に「ゆがんだ著作権意識」に洗脳…

JASRACと独占禁止法

成田ケーブルテレビについて調べていたら、偶然見つかった。 7 被控訴人らの抗弁(5)(独占禁止法違反)について 被控訴人らは,本件使用料規程は,CS放送の同時再送信の使用料算定方式については文化庁長官の認可を受けておらず,極めて不合理な内容にな…

JASRACが漫画著作権の集中管理に失敗する3つの理由

タイトルは煽り。 1.JASRACは著作権の許諾を拒否することができないJASRACは著作権等管理事業法の足かせをはめられている。つまり、正当な理由がない場合、許諾を拒否出来ないという事になる。つまり、漫画家にとって愛するキャラクターが18歳未満お断り…

漫画著作権の集中管理

JASRACが著作権の集中管理を音楽以外にも広げようと言う噂が流れ、ネット界ではちょっとした騒ぎになっている。が、少々騒ぎすぎだろう。集中管理と言う表現は大げさなものであり、実際は検索から使用料の徴収まで一元管理--著作権団体が共同のシステムを構…

JASRACを制するもの

JASRACシリーズもこれで一応の結末となる。前回まで、JASRACは官によって「規制」されないと言う事を中心に書いてきた。特殊法人でありながら主務官庁の下にはおらず、規制緩和によって文化庁による足かせが外されたという事を見てきた。では、JASRACは野放…

JASRACに手出し出来ない文化庁

間が空いてしまった。 前回、なぜあれほど主務官庁にこだわっていたかというと、JASRACを指導監督するのはどこなのかと言う疑問があったからだ。JASRACには二つの足かせがはめられており、一つは特殊法人としての足かせであり、もう一つは著作権等管理事業法…

ますます深まっていくJASRACの謎

さて、前回はJASRACの監督官庁はどこなのか不明だという話をした。今回はその続き。 あの後も、色々と調べてみたのだが、JASRACは調べれば調べるほど奇妙なところがある。JASRACの定款を見る限りは、監督官庁は不明であるが、著作権等管理事業法の適用を受け…

JASRACの監督官庁はどこだろう

監督官庁である文化庁の役人が、管理される側のJASRACに天下りし、一般常識から見ても際立って高い給料をもらい続けているという構造は、明らかな「Conflict of interest状態(=『国民の利害』と『役人個人の利害』が衝突している状態)」であり、うまく行…

CDサントラ問題を検証してみる

id:shidho氏のぶくまコメントを見て、ガラスの艦隊 オリジナルサウンドトラック: 腹巻猫の劇伴BLOGへとたどり着いた。腹巻猫氏のサイトではないか。で、問題の文章を引用してみる。 サントラを構成するにあたっては、ひとつ制約がありました。「歌を含め…

グレーゾーンと線引き

注意点が二つ。まず、このエントリはhttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20060608/1149783249の焼き直しである。もう一つ。このエントリは単なる仮定のお話、ファンタジーと思って頂きたい。 うーん,著作権話題はほんとクリティカルだ - Myrmecoleon in Par…

事後承諾を黙認と読み替えれば結構ある話

そして、他のエントリーでも「違法」という言葉は決して使わず一貫して「無許諾アップロード」「無許諾コピー」という表現を意図的に使ってきた。無許諾である事が即違法とは限らないじゃないかという強い思いがあったからで、だからこそ事後承諾の可能性を…

背景が違えば、解釈も違う

このエントリーは、さっきのような言葉遊びでもなく、重箱の隅をつつくようなものではないものにする(予定)。白田先生のエントリーと、岡本氏の文章を比較すると、「規制」に対する考え方の違いがよく分かる。白田先生が仰っている、「論者の背景知識や立…

言葉遊びをしてみよう

白田先生が岡本薫氏の「著作権=人権」説に対して、ご自身のウェブで批判されておられる。 まず、岡本薫氏の文章を先に引用する。 また、知的財産権は「私権」であって「規制」ではない ── ということに注意する必要がある。著作権は、「国際人権規約」にも…

東京地裁判決が生み出す新しいビジネスモデル

http://www.asahi.com/national/update/0805/TKY200608040501.htmlに絡んで。 わからないのは後半部分。「音楽配信」?このiPodの普及したご時勢に?いやもちろんiTMSだって音楽配信だが、「録音代行」みたいなサービスが考えられるのか? H-Yamaguchi.net: …

クリエイターが声を上げるには

音楽配信メモ YouTubeコラムをNIKKEI NETに寄稿して思ったことなどを読んだ。一次クリエイターと利用者が同じ目線に立っている事が前提になっているので、懐疑的な目で読まざるを得ないね。で、興味を持ったのは以下のくだり。 サイレントである(しかし、恐…

動画の引用

そこで質問である。テレビ番組の一部をYouTubeに上げてそれに関しての自分の意見を表明することは、ブログに新聞の記事の一部を引用して自分の意見を表明するのと同じように許されるべきなのだろうか。 Life is beautiful: YouTubeを使ったテレビ番組の「一…